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目覚めてから約一週間、部下共に日常生活を再開できるまでに回復した。
「ハル、タクミ。ミーゴレン作ったけど食べるー？」
「食う」
「すみません、頂きます」
こいつ、Aのお陰だとは言ってやんねー。
加療中にマイキーや九井、元々この任務に就く予定だった鶴蝶と打ち合わせや情報のすり合わせを重ねた。
黒川イザナと接点があった事も大きかったのかもしれない、鶴蝶は"A……？"と声にまで動揺が浮かんでいた。
そうして最低限の信用を得たAにマイキーが直に頼み込み、協力させる事になった。
取引先との接触は、明後日だ。
「今日街回って来るけど、二人は？」
「案内しろや。病み上がりを置いてくのかァ〜？」
「ハイハーイ。ここでのルールは絶対に守って。あと私の表の顔は翻訳家だから」
「ハイハーイ」
真似しないでよ、と笑うAも俺らに対して当初よりフランクだ。
スーツだと警戒されるとの事で、久しぶりにTシャツ短パンというラフな格好に着替える。
Aも長い髪を高い位置でポニーテールに結い、キャミソールにホワイトデニムのホットパンツという涼しげな佇まい。
「銃はどこ仕舞うんだよ」
「どう見てもアウェイな二人は持たないで。必要な時は私が貸す」
堂々とホットパンツのウエストに突っ込んでいるAを見た部下がギョッとしていた。
まずはマーケットに向かう、と全く整備されていない歩道をAを先頭に進めば、まさか瓦礫の上に屯していたガキ共に銃口を向けられた。
「チッ、A貸せ！！！」
「大丈夫よ、両手上げて。"皆、この人たちは私のお客さんだから安心して〜"」
Aがにこやかに手を振りながらネシア語だろうか、ガキ共に呼び掛ければ、俺らを睨むのは止めずども銃を降ろした。
図体も一丁前な年長らしいガキの一人がAの名前を呼びながら駆け寄り、何やら話している。
穏やかに笑いながら、そいつの頭をぽん、ぽんと撫でればAに抱き付きやがった。
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作者名：カーター千之助 | 作成日時：2024年3月1日 0時
