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Aが指差したのは、ソファー横のチェストに置きっぱのパケ。
「潜り込んだ鑑識のデータと照らし合わせると、去年お巡りさんに摘発された名取組が捌いてたのと全く同じだった」
「つまり……え、ハァ！？」
「押収品から横流しされた可能性が高いわ」
「っ、サツかよ……！！この事、マイキーは！？」
「ふふ、流石マイキーファースト。ハルを訪ねる前に、マイキーと幹部の皆には会話共有させて貰ってる」
担当のハルには直接伝えるべきだと思った。そう言うAの手をぐい、と引き、幹部室まで足早に進んだ。
おーおー、見事に勢揃いじゃねーか。仲良くイヤホンしやがって。
「……緊急幹部会議だ」
マイキーが言うなり、まさかその場を立ち去ろうとするAを焦って止める。
「どこ行くンだよ！！」
「え？ただ私は幹部じゃないし、自室で調べ物を、」
「Aは幹部と同格以上だからいて。お願い」
「……タブレットだけ持って来るね、マイキー。気になる事があるの」
「早く戻って来て」
頷いたAを見送った俺らに暫しの沈黙が落ちる。漸く口を開いたのはマイキーだ。
「三途、Aの考察をどう思った」
「っ、一理ある……いや、個人的には99%その線だと思います。同時に、ただソープ嬢に撒いてる範囲じゃないんじゃねーかと」
「ああ。ココは？」
「ん。正直ビビったけど、あのAが適当ほざく訳もねーだろうしな。ホワイトハッカー兼ねてる通り、警察組織にも詳しい筈だ」
「……鶴蝶は」
「三途と九井と同意見だ。すぐにでも叩きたいところだが、主犯がわからない限り難しいかと、」
「っ、ただいま。やっぱりいたわよ、無職の若い子……恐らく売り子たちと頻繁に連絡取ってる刑事さんが一人。四谷南署の山本功警部補」
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作者名：カーター千之助 | 作成日時：2024年3月1日 0時
