検索窓
今日:230 hit、昨日:132 hit、合計:38,083 hit

37. 女王のお仕事 *snz ページ39

灰谷が担当する風俗店のキャストが、シャブの食い過ぎで死んだらしい。

 一応、クラゲ頭こと竜胆が死体の側に落ちていたパケを持ち帰って来たが、俺はどこぞの科捜研でもねーし。


 ーー梵天のシマ荒らしてんのは誰だ?


「ハル、入っても良い?」

「……ああ」


 無性に苛々し、ヤクをキメようとしたところに軽いノック音の後、聞き慣れた澄んだ声が届いた。


「どうした、A」

「お店の経営は蘭たちでも、主にドラッグを仕切ってるのはハルでしょう?そろそろ痺れ切らす頃かしら、って」

「……良くわかってんじゃねーか」

「今は我慢してね」


 ハルが死んだら嫌だ、と俯くA。

 Aは誰よりも肝が据わった女だが、黒川イザナが関係するのか、知った人間の死には敏感なきらいがある。元より優しい奴だしな。

 お前に救われた命、簡単にくれてやんねーから。Aの艶やかな髪を梳き気持ちを落ち着かせようにも、腹の虫はそう簡単に収まってくれない。


「チッ……うちのシマで好き勝手やってんのはどこのどいつだ、クソが!!」

「ねぇ、ハル。聞いて」

「……何だ」

「そもそも純度100%のシャブなんて基本出回らない、わかるでしょ」

「あー、他のカスみてーなンでサバ読んでんな」

「ええ。ブランデー吹き付けて重くしてるのもあるわ」

「げ、エグ……そンで?」

「ブレンドの癖でネタ元が特定出来る。私も竜胆から預かって、曲がりながらに調べてみたの。キャストさんが亡くなった原因のネタを」

38.→←36.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (39 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
136人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:カーター千之助 | 作成日時:2024年3月1日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。