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「マイキーに対しての無礼は確かに良くなかったけど、私の事は本当に構わないわ。気にしてない」
「お前が構わなくても俺様が気にすンだよ、相澤も気ィ済まねーだろォー？」
「はい。Aさんは三途さんと俺の命の恩人ですから」
「……Aの前でもう止めろ、灰谷兄弟が来た。その女連れて降りるぞ」
……三途の部下に鶴蝶？え、増えてんじゃん。
「あ、蘭。この間私がゆすり取った風俗店、女の子足りてないんじゃない？マイキー、それじゃダメ？」
「いくらAの頼みでも無理。Aボロクソ言ってんの俺最初から聞いてた、ムカつく」
「ら"んさ"、ん"……！！だずげ、で、私ボズも"、ごのオ"ンナ、の"事も"、きい"でな"いも"ん！！！」
「……"この女"？反省してねーじゃん、Aちゃん今もお前如き守ろうとしてくれてんのによー」
「A、とにかくお前は働き過ぎだ。少し休んでおけ。行くぞ」
俺が背後からモブ山を固めた隙に兄貴が慣れた手付きで麻袋を被せ、ロープで巻いた。
中からはまだ諦めないモブ山のくぐもった醜い声が聞こえるが「焼豚が喋るな」と三途の部下が鳩尾に一発入れたら大人しくなった。
Aちゃんも何だかんだで裏の人間、何ならスラム育ちだ。
幼馴染みの鶴蝶に形良い頭を撫でられれば「仕事戻るわ。ココ、後でハルの書類取りに来て。マイキーは鶴と叩く冴木のデータ最終確認お願いね」とあっさり踵を返した。
鶴蝶は「いつの間に終わったんだ」と呆れ半分に感心しているし、三途は「Aさんきゅな」と改めて礼を言っていた。あの三途が。
まぁ、「Aがいなきゃボスの歯車は止まる。ボスが止まれば梵天の歯車は止まる」麻袋越しにココが言う通り「今やAちゃんは俺らの命綱って訳」俺もモブ山に放った。聞こえたかはわからなきゃ、どうでも良い。
モブ山の始末後、想定内っちゃ想定内、兄貴はマイキー直々にボコられた。三途からは顔面スレスレに弾丸を放たれ、天竺時代から親しい鶴蝶にも一発殴られていた。Aちゃんが絡むと、比較的温厚な鶴蝶も容赦がないらしい。
俺も連帯責任として、兄貴ほどではないがマイキーの核弾頭のような蹴りを初めてマトモに受けた。
そして怪我の治療中、兄弟揃ってココに山のような書類仕事を増やされた。
「蘭、竜胆、ご飯食べられそう？」
Aちゃんはクイーンでありながら、やっぱり天使である。
「「食べる！！」」
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作者名：カーター千之助 | 作成日時：2024年3月1日 0時
