検索窓
今日:225 hit、昨日:132 hit、合計:38,078 hit

23. 苦労人 *kkni ページ25

Aの仕事部屋が完成した。

 といっても空き部屋一室の壁紙を断熱に張り替え、Aが自作したコンピューター5台にモニター9台、その他素人の俺らが触れぬべきコードや精密機器を整備させただけだが、見るからに専門家のラボだ。

 三途と灰谷辺りには勝手に入らぬよう強く釘刺さねば、温厚なAもブチギレ兼ねないだろう。

 何だかんだ、情報界の世界女王が敵に回したら一番怖ェ気がする。


「何から何までありがとね、ココ」

「いや、施工したの俺じゃねーし。寧ろAの手隙に俺の仕事も手伝ってくれて、マジ助かった」

「ふふ。でも、はい」


 お礼!と可愛らしく渡されたのは、


「Bluetoothスピーカー……?」

「を改良したものよ。ココ、ホワイトノイズってわかる?」

「聞いた事ねーな」

「周波数に近い、かな。集中したい時、雑音をシャットアウトしたい時、リラックスしたい時、他にもボタンで操作できるように作ってあるから。ココは特に睡眠時!試してちょうだい」

「……さんきゅ」


 Aが梵天に加入してから皆、特にマイキーが健康的になったように思う。

 女、いやAがいるとそもそもの雰囲気が和らぐ。反社が和まなくても良いのだが、ピリピリしていると平気で死体が増産されるので、兵隊を追加してもキリがないのだ。

 Aを比喩するならば、ギラギラではなく、ぽかぽかと穏やかな陽のような独特な空気を纏っている……気がする。

 俗な言い草だが、文句なしに美人で可愛いしな。男なんて総じてそんなもんだろ。

 そして幹部皆が、Aの作る栄養バランスの良い手料理を食べるようになった。それがまた美味いのだ。

 これまでは良くてデリバリーかコンビニ。一部は酒とナッツにチーズ、俺はウィダーとエナドリ、悪くて腹が減れば苛立ってヤクキメてるような奴もいたもので。

 ボスに至っては、食ってたい焼きのみ。そりゃー改善もするわ。

24.→←22.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (39 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
136人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:カーター千之助 | 作成日時:2024年3月1日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。