13. ページ13
「でもAちゃん、良くそれで風邪引かねーな」
俺スクラップ部屋ベンチコート着ても30分が限界、と竜胆が態とらしく身震いする。
「だからいつも取り出した臓器の値が下がるほど雑なンか！！」
「それは違ェよ、なぁ？竜胆」
「うん。めんどくせーじゃん」
「ラリって楽しんで拷問したかと思えば、間違えて部下殺しかけるお前と竜胆一緒にすんな〜？」
「こンのクソ共がァ！！！」
互いに銃を取り出せば、「Aの前で派手な喧嘩するな」とマイキーに灰谷共々叱られた。マイキー、こいつスラム育ちなの忘れてませんか？
「Aは慣れてるのかもしんねーが、健康には気を付けてくれ」
マイキー、"健康に気を付けて"って反社のセリフじゃねーッス。
皮肉にも同じ事を思ったのか、クソ谷兄弟も「Aちゃん身体は大切にね〜」等ゲラゲラ笑っている。
まぁ、梵天としても失いたくない存在だが、マイキーは個人的にも失った筈の情けをAに抱いたんだろう。
俺だってそうだ。認めたくねーけど、命の恩人ってのを差し置いて。
やっぱりこいつは不思議な、クソタラシ女。
「ありがとう、マイキー。蘭と竜胆も。あ、条件もういっこ！」
ぴ、と人差し指を立て悪戯に笑うA。正直クソ可愛い「何だ？」……九井の声色まで優しくなってやがる。
「たまにはご飯を作らせてね。特に顔色が悪いマイキーと病み上がりのハル、オールナイターらしいココが心配」
「……ああ、キッチン用品も揃えておく。良いよな？首領」
「ん」
そうしてAの梵天加入が正式に決まった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 136人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カーター千之助 | 作成日時：2024年3月1日 0時
