【梵天】クイーン・オブ・オールトレード１ (ページ12)

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結論、Aを梵天に引き入れる事には成功した。

　マイキーはまさか幹部の座まで提示したが、A曰く機密性の高い仕事だから部下は要らない、仕事量と内容を見て必要あらばちょうだい、と。

　そしてAから梵天への条件はーー普通はこの時点でスクラップだーーまず、これまでの仕事も一部引き継ぐ事。

　どうやらAは裏に留まらずインターポール等の警察組織や省庁等々にも協力を請われていた俗に言うホワイトハッカーでもあり、"クイーン・オブ・オールトレード"との異名も付いていたらしい。

　ハ？俺でも知ってるわ、その何かエグい奴。女だって情報しか出回ってなかったがなァ。

　そして、その素性は初めて梵天に明かしたと言う。こんな年若ェ日本人だなんて誰も想像していなかっただろう。

　幹部共、マイキーまでもが声に出して驚いていた。

　そりゃあ、急にンな表裏共に知られる大物が消息を絶ったら、世界中で大捜索が行われるに違いない。梵天にとっても不利益だ。

　皆が了承した。鶴蝶はさっきからずっと「A……」botと化している。大丈夫か、お前。

　もう一つは「自室とは別に0度以下の仕事部屋が欲しいの」、なるほど。俺と側近の部下だけが納得する。

「私は情報以外に、メカニックな事は何でもするわ。それこそ、発明も」

「電子機器でショートするらしいっす」

「……そういえば、三途に盗聴器やら発信機の探知器付きの携帯作ったとか」

「うん。そこに費用が嵩むけれど、大丈夫？」

「当然だ」

「地下のスクラップ部屋はもっと寒いしね〜」