ノット・フェア４ (ページ19)

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「万次郎ー！イザナー！うるせーからボリューム下げろ！！」

　この声、真一郎さんだ。とりあえず僕の膝に頭を乗せたままのAさんを起こすか、起こすまいか。「……るさっ」あ、勝手に起きた。

「……イザナ、とマイキー……何してるの？」

「え、あっ……喧嘩？」

「うん」

「……私の弟たちと翔平くん巻き込んだら社会的に、合法的に殺す」

「「スイマセンデシタ」」

「不機嫌な姉ちゃんかんわいー♡蘭ちゃん、またあんな惨劇が起きるのかって怖かったぁー」

「兄貴ズリー！！ちょ、翔平どけ。俺も怖かった、姉ちゃん」

「ん、蘭と竜胆だ……へへ、生きてる……なら良い」

　へにゃ、と笑ったAさんはまた僕の膝で眠りについた。

「お前ら、解散だ」

「昔それ良く聞いたな」

「懐かしいねー。また皆で流そうよ」

「オータニは走れんのか？」

「無理っすよ、場地さん！ケガは命取りです！！」

「ケガで困んのは俺らも同じだろ。野球選手、んなにデリカットなんか？」

「場地さん、デリケートっす」

「お前らが翔平にもの言ってんじゃねーぞゴラ」

「は、灰谷竜胆……」

「翔平は竜胆のマブだかんねー、とりま捌けんぞ。翔平は姉ちゃん抱えてろ」

「あ、はい。みなさんすみません。お邪魔しました」

「「「A(さん)ー！！！」」」