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"＜"Mayさんがグループに参加しました＞"
"May: 灰谷Aです。大谷さん今日はお疲れ様です、どうもありがとう！これから移動なので改めてMsg送ります。取り急ぎ御礼まで"
……端的かつ丁寧なメッセージも僕的にはめちゃくちゃ好印象。
竜胆くんたちと付き合う中でもふと思う事がある。親にただ取り残され保護される事もなかった彼らは今でこそ人より裕福かつ自由で幸せそうだが、大人たちに守られる施設で育つより辛く過酷なものだった筈だ。年長のAさんは特に。
蘭くんが以前「負けたら失う」と言っていた通り、灰谷姉弟は喧嘩で勝負していた。結果、勝ち残って今物理的に五体満足で生きている。
僕は暴力が嫌いだ。それは親しい竜胆くんと泊まった時に話した事がある。彼は「普通じゃね」と当然のように言いながらビールを煽っていたが。「生きるのに必要なかったらそうだろ、痛ェし」と笑ってもいたな。昔の彼らは暴力が好きか嫌いとか、正しいとか間違ってるだとか考える状況下にも概念ですらもなかったのだろう。
更正というのも失礼だが、大人になった竜胆くんだからこそ、僕の自慢の友人だ。でも彼らからしたら、親元で好きな野球をただやり続けた僕は甘ちゃんに思えても仕方がないと思う。実際には挫折もプレッシャーも苦しみもあったし、当然今もだけれど。
「一平さん、育った環境って人付き合いの中で重要？」
「何、今更。"育った環境の中で成った為人"と価値観でしょ。すれ違えばただ自分の正論を押し付けるんじゃなくて意見を伝えたり。翔平、竜胆くんたちといると楽しそうだよ」
「びっくりする事もあるけどね。あの兄弟、未だに喧嘩すると骨折るって言うし」
「ははは！！それ含めてあんなに仲良いの面白くない？ぶっ飛んでるなーって。でも自分たちで責任持ってるなら良いし、そうじゃなきゃクラブでも何でも経営なんて出来てないよ」
「確かに。漫画みたいって言ったらお前もな、って言われたけど」
「そうだろうね。俺はアメリカ育ちだから色んな奴が周りにいるけど、同族ばかりの社会を閉鎖するのは退屈だよ。急にどうしたの？」
「いや、たまに竜胆くんたちから見て僕は温室育ちの甘ちゃんなのかなって」
「誰よりもストイックな翔平がそんな訳ないでしょ。知らないにしても、彼らの性格的にもしそう思ってたら付き合わないか、翔平がアスリートでも気にせずぶん殴ると思うけど」
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作者名：カーター千之助 | 作成日時：2024年1月1日 0時
