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「……Aの連絡先知りたかったっしょ。あいつも蘭たちから大谷の事聞いて姉として気になんのかたまにメジャーリーグ観るようになったし、とりあえず俺と交換してくれたらグループ作っけど?」
にや、と笑う黒川さんの心根はわからないし、僕の心の内がバレていたようで恥ずかしいし、何より……、
「迷惑じゃないかな。やっぱり直接の方が、」
「次の機会いつになるかわからないよ。竜胆くんたちに聞くより仕事関係の黒川さん経由した方が良いんじゃない?あ、僕は今後寄付の話も学文の話も色々聞きたいので是非お願いします」
「一平さん!」
全く、ちゃっかりしてるなぁ。奥さんに言い付けてやる。
とりあえず囲まれ出してしまったAさんの救出に急ぎたいらしい黒川さんと僕もチャットアプリを交換して別れた。黒川さん、理事っていうよりAさんのボディガードみたいになってるけど。
「正直竜胆くんたちから聞いた話からも凄い人だし、強気な方なのかなって想像してたよ」
「……僕もそう」
「可愛らしかったね。団体のトップがあんなに頑張ってる姿見たら本当に活動応援したいと思えるし、あれが人格かなぁ。翔平も珍しく気になっちゃったんじゃない?」
正直、容姿も話した感じもこれまでの人生で一番どストレートだった。日ハム時代からグイグイ来られ過ぎれ女性に辟易していた僕にはむず痒い、新鮮な感覚。
「まだわかんないよ。応援したくなる気持ちは一平さんと同じ、GMに公式に寄付できないか聞いてみようかな」
「翔平なら現地で子どもたちと関わってあげるのも喜ばれるだろうな、少なくとも日本とアメリカでは。Aさんと関わる機会も増えるよ?」
「最後の一言本当に余計。とりあえず……あ、黒川さん」
"Izana: 黒川イザナ。A呼ぶわ"
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作者名:カーター千之助 | 作成日時:2024年1月1日 0時