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「そー♡ずっと姉弟三人で六本木仕切ってたけど、俺ら二人が年少入った時に知り合った大将たちとチーム創って、今オートレーサーしてるマイキーが率いてた東卍に吸収されて関東全域に広げた、って感じー」

「姉ちゃんは俺らがパクられてる間一人で六本木の不良纏めて一般企業の重役とかヤクザまで懐柔して、人脈すげーし人望も厚いからその一部は今NPOのスポンサーになってたりすんだけど。設立に資格が必要なのと子どもたちに勉強教えたいからって大学出て教員免許とか色々取ってる」

「それはご立派……」「凄いね!?」

「姉ちゃんはすげーの、言ったじゃん翔平!自分もガキの頃から更に俺ら二人育ててるだけですげーの!!」

「俺らに喧嘩教えたのも姉ちゃんだけどね♡」

「えっ、そうなんですか?」

「俺三歳兄ちゃん四歳、姉ちゃん六歳から三人だけの家族だったし、姉ちゃんは母親だけじゃなくて父親代わりもしなきゃいけなかったワケ。俺らを守る為にいじめっ子にやり返して返り討ちにあってケガして帰って来たり、汚ねー大人に襲われたりもして。俺らも強くなるって小学校上がる頃には喧嘩してた。法もサツも守ってくんなかったから」

「姉ちゃんが小5で族一つ潰して来てから俺らも喧嘩買いまくって灰谷の下に付けて、気付いたら六本木とーり♡」

「姉ちゃんは俺らが学校行かなくなっても墨入れても、年少入った時さえも泣くだけで怒んなかったし絶対に俺らの自我も自由も奪わなかったけど、族上がっていざどうすっかって時にカタギになれ、反社にはなるなって約束させられて今に至る」

「竜胆は姉ちゃん守るって鍛え過ぎて"可愛い竜ちゃんどこ行ったの"って泣かれてたけど」

「「ははは!!」」

「それ昔じゃん!次翔平の話聞かせてよ。あ、兄ちゃん鴨取って」


 生い立ちも環境もまるで違う竜胆くんたちと僕だが、宴は思いの外楽しく過ぎた。一平さんも珍しく気を抜いていたように思う。最後竜胆くんと対決したマリカー全敗したのは悔しかったけど。


「世間一般的に元暴走族とか、黒い交流みたいになる?」


 二人と別れ部屋に戻る道中。一平さんに問うた自分の声は、我ながらやけに暗かった気がする。


「何で俺がわざわざ翔平の新しい友達と遊びについて来たと思ってるの」

「……」

「大丈夫だよ。後ろに社会的信用のあるお姉さんもいるようだし」


 楽しい子たちだし、仲良くしなよ。その言葉に僕は喜びと安堵の息を吐いた。

一目惚れなんてあり得ない。→←*



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作者名:カーター千之助 | 作成日時:2024年1月1日 0時

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