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「だって大谷翔平のヨメ候補とかテレビでもやってんだぜ?エマはA姉ぴったりじゃんって盛り上がってたけど」
「エマ昔から好きだね。学生時代、会う度にA姉好きな人いないのー彼氏はーって聞いて来たの覚えてるよ」
「変わんねーよ。マイキーとニィたちも応援したいけどーってAちゃんの旦那候補勝手にあげてうんうん言ってるわ、ヒナちゃんも柚葉ちゃんも」
「言われる側からすると、勝手に推測されてもって感じですよね」
「女は総じて恋バナっての好きなんじゃないっすか。でもAちゃんマジでモテるんすよ、実際俺らも世話になってたし。独特な安心感ありません?」
「そうですね。可愛いなぁとも思いますけど」
「だってさ、Aちゃん。確かに容姿も文句ないっすもんね」
「もう……二人して恥ずかしい事言わないでよ」
褒められ慣れている筈なのに頬を染めるAさんはやっぱり純粋で可愛らしい。俯いてしまった頭をぽんぽんと撫でてみると睨まれた。
「おーたに!行くぞ」
「翔平くん、マイキーも体大事だから優しくしてあげてね」
耳打ちするAさんに一つ笑って頷く。
グラウンドで佐野選手と距離を取る。改めて小柄だなぁ、その身体で喧嘩最強なのか。と見ていれば飛んで来た速球……え?
キャッチして投げ返せばどんどん早まる球、関係者や選手たちも騒ついている。
「Aー!出来てんだろー!?」
「マイキー凄いねー!!」
「翔平ー!佐野選手ー!広報が公式に載せたいってー!!」
「「良いよー!!」」
「A、A俺かっけー!?」
「カッコ良いよー!でもビデオ回ってるから喋らない方が良いよー!!」
ちら、とAさんの隣の龍宮寺さんを見遣れば爆笑中である。一平さんまで。
「余所見してんじゃねーぞ、おーたに!!」
謝る前にスパーンとミットに収まる球に目を見開く。佐野万次郎選手は本当に万能らしい。
キャッチボールを終え、グローブを返しAさんの元へ長距離ジャンプする佐野選手の後を追う。
「マイキー凄かったね、翔平くんありがとう」
「いーえ。普通にびっくりした」
「さんきゅ、おーたに!レース来たらバイク乗せてやるよ」
龍宮寺さんにレーシングチームのステッカーを貰い、三人は帰って行った。その日、エンゼルス公式とチームオブマンジ公式に載った動画がバズったらしい。
選手たちがこぞって上げた御守りもエンゼルスファンの間で話題になったとか何とか。
Instagram+α。→←エンゼルスft. Team of 卍。
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作者名:カーター千之助 | 作成日時:2024年1月1日 0時