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「一環だよ。うちは基本成人まで受け入れてるから優しいだけじゃ無理、イザナたちにボコボコにされて漸く心入れ替える子もいるね。体罰は常に論点に上がるけど、スラム街で職員が弱ければ逆に殺される」


 なるほど、と思った。Aさんの言う通り日本でも野球界でも体罰は問題になったりするが、危険地域ではその次元ではないのだろう。改めてテンジク及びAさんの活動の壮絶さを知った。良く名前が並ぶユニ⚪︎フ等との違いはそこかもしれない。「姉ちゃんの鶏五目美味くね?」つい箸が止まってしまっていたらしい。


「めちゃくちゃ美味いです。Aさん良かったらレシピ下さい」

「うん!お出汁は持って帰って良いよ」


 綺麗に笑うAさんに見惚れながら礼を言う。本当にどれもこれも健康に配慮されたご馳走だった。


「翔平またな。オンライン対戦する日先にLINEしろよー」

「うん、竜胆くんもたまにはエンゼルスの試合観てよ」

「髭にも言われた、出来たらな」


 迎えに同じく送ってくれた家の前でキャップを脱いでAさんにも礼をする。降りないのはパパラッチを気に掛けてくれているからだろう、車の中からひらり手を振られた。


「あ、竜胆くん。僕と友達なの隠さなくて良いよ、もう球団公認だし皆んなインスタいいねしてるし。僕もフォローする」

「んー……わかった。ただ何か不便があったら絶対俺らのせいにしろ、絡まれたでも何でも良いから」

「そんな事しないって」

「良いから!俺ら叩かれてナンボの世界で生きて来たし、凸られたらついでに宣伝させて貰うわ。んじゃな」

「ははは、ちゃっかりしてる。またね」


 誰よりもユニークな友人と別れるのはいつも寂しいが、どうせしょっちゅうゲームする事になるだろうし。まずはAさんと二人で会う心の準備をしよう。

竜Instagram+α。→←*



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作者名:カーター千之助 | 作成日時:2024年1月1日 0時

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