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寧ろ、翔平の職業を理解してルーティンや生活に合わせてくれてるんじゃない?そう放った一平さんに頷く。

「それはそう。飯行く時も竜胆くんは飲むけど僕には飲ませないし、オンラインゲームの時間とかこっちに合わせてくれてるし、何ならそろそろ寝ろよ睡眠お化けとか勝ち逃げされる」

「ははは!答え出てるじゃん。自由な彼は嫌なら嫌だって言うでしょ。竜胆くんは翔平を心の内に入れて友達として大事にしてるのに、そんな事で悩むのは彼に対して失礼だし可哀想。彼が彼のままでいるように、翔平は翔平のままで良いんだよ。プレイにも響いてない、寧ろ調子良いように見えるけど」

「……そっか」

「ま、気になったそもそもの理由はAさんだろうなぁ」

「だから!!そんなんじゃないって!」


 ケラケラ笑う一平さん、俺がいつも巫山戯る仕返しか?もっと意識しちゃうじゃん。


"Izana: 〈車内でAが寝てる写真〉"

"Izana: 寄付よろしく"


「え……何これ」

「ん?っ、ははは!黒川さんも意外とユニークな子なんだね、Aさんの寝顔写真に金落とせって事だよ。本当にすっごく可愛いけど」

「エリカさんに言うよ」

「良いよ別に、エリカがジミン推してるみたいな感じだし。普段浮ついてない翔平も素直になれば良いのに」

「めちゃくちゃ可愛い」


"Shohei O: 何ドルでしょう。他にも下さい"

"Izana: 調子乗んな、とりあえず1000USDから"


「「ははは!」」

「一平さん。オフに入ったら公式に施設に訪問させて貰えないか球団に打診してみる事、Aさんに伝えてみるよ」

「付き合いますよ。ほら、ホームページ。LAにも施設ある、ヒスパニック系の子が多そうだね。皆んな良い笑顔だ」

「野球知ってるかな〜」





 そろそろ三時か。僕は竜胆くんと約束の時間にSwitchを起動した。

 今日は最近竜胆くんに勧められたーー正しくは「買え」と言われた対戦ゲームだ。同時に「ボイチャして」と言われたのでそれは何だと聞けば単に通話しながらやる機能らしく、理由は「寂しいから」と。末っ子感、僕もだけど。


〈翔平入った?〉

「うん」

〈聞いて、俺来月LA行く!〉

「えっ、何で?てかそれ普通にLINEで教えてくれたら良くない?」

〈姉ちゃんが暫く別宅いるからおいでってついさっき連絡来た!〉

〈俺も行くよ〜♡〉

「あ、蘭くんお久しぶりです。じゃあ会えるかな……僕来月半ばまでホームだから」

〈球場まで行けば良いんだろ?姉ちゃん車出してくれる〉

もどかしい距離。→←*



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作者名:カーター千之助 | 作成日時:2024年1月1日 0時

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