ヒソカ×どうやら私はペット兼彼女になったようです (ページ27)

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ジェニーとCall it even ページ27

あくる朝。

この日は雨が降っていた。

息を白く染めながら

重い足取りで出勤するA。

ビネガーもどこか暗い表情を浮かべていた。

『おはようございます・・・』

ビネガー「おはよう」

Aは視界を見渡した。

『あの、ヒソカ君は・・・？』

ビネガーはカウンターを拭く手を止め、
その横に視線を落とした。

『それは？』

Aが覗き込む。

そこには前日に渡された給与袋と同じ封筒が置かれていた。

封筒には文字が書かれている。

“call it even”

『これはどういう・・・』

ビネガー「これでチャラにしてくれ、ということじゃ」

Aは瞬きをした。

『え？チャラって？』

ビネガー「あの日の数時間の損失じゃよ。業務中にキミを連れてった損失を、自らが働いた給与で補うつもりだったんじゃろ」

Aは目を見開く。

ビネガー「律儀なことじゃ、、。ワシはあいつを、勘違いしてたのかもしれんなあ」

ヒ、ヒソカ君・・・

『色々あって昨日は冷たい態度を取っちゃったけど、、、今日は優しくしなきゃ！！』

ファイティンポーズをして頷くA。

ビネガーは視線を落とした。

ビネガー「・・・残念だが、もう来ないじゃろな」

Aはビネガーの言葉に笑った。

『まさか！そんな事、ないですよ！』

　時計の針は間も無く開店時刻に迫っていた。

そして、その針は刻々と過ぎていった。

同時にAの表情が不安を帯びた。

　まだ、ヒソカの姿はない。

遺されたジェニーと書かれた文字。

昨日の２人。

ヒソカの言葉。

“ペット解消”

“厄介者がいなくなって”

“ボクと一緒にいたいのかい？”

“出会えることを願ってるよ”

　どうして、そんなことを言ってたのか

今分かった。

彼は

別れの挨拶をしていたんだ。

　ヒソカはきっともう、ここには来ない。

そんな予感がAの脳内をよぎっていた。

question3ヒソカの行方