光のソナタ～逆十字のキリスト～ (ページ2)

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　「ねえ、どうしたの？」

うんともすんともしない男の身体は氷のように冷え始めている。

(異常な冷たさだ・・・それに肌が黒ずんでいる・・・どうしよう！)

ミアは動揺し、大声で助けを求めた。

声をあげながらミアは男を横にして、心臓マッサージを施した。

しかし男の身体が弾むだけで、呻くこともない。

「しっかりして！死んじゃだめだよ！！！」

ミアの叫びに一人の男が駆けつけてきた。

「おい、なにしてるんだ？」

訊ねる男の名は、同行者のルーク・ロス・ノーマンだ。

「ルーク、どうしよう！この人死にかけてるんだよ！」

ルークは冷静な態度で「どけ」と放つ。

ミアはその言葉に後ずさりした。

「脈がない。意識をなくしてからどのぐらいだ？」

「分からない・・・五分・・・？」

【心肺停止から１分以内に救命処置が行われれば９５％が救命される。３分以内では７５％が救命され、脳障害も避けられる可能性がある。５分経過すると救命率は２５％になり、８分経過すると救命の可能性は極めて低くなる】

「無駄かもしれないが三分続ける。お前は船員を呼んできてくれ」

指示にミアは部屋を後にした。

しかし、船員が駆けつける前に男は息絶えた。