74頁 ページ28
「ねぇ、廉
廉は今どこにいるの？
どうしてあたしの側にいないの？
今、あたしの隣にいるのは紫耀
あたし達ずっと一緒だったのに.......
あたし廉のこと、ずっと忘れてた
まるで記憶を消されたみたいに
なんでなの？
あの事故と........
何か関係があるの？」
時間は限られてるから
もう聞きたいことを聞こうそう決心した
一瞬困った顔をして
少しの間黙り込んだ廉は
目を泳がせたあとにこう言った
廉「........浮気、したんや」
「........浮気？」
廉「そうや、一瞬の出来心やった
Aと渚がいるのにも関わらず俺は
浮気してしまったんや
俺は何度も謝った
でもAは許してくれんかった
まぁ、当たり前やんな
俺とAは離婚した
それでAは紫耀と再婚した
やから今、隣にいるのは紫耀なんや
俺のこと忘れとるんは
きっとショックと憎しみで
忘れてしまってただけや
.........ほんま、ごめん」
嘘...........
嘘でしょ？
目が泳いでるじゃん
廉が嘘つくときの癖
「じゃあ、廉は今、どこにいるの？
玄樹くんが2時間しか会えないっていったのも
そんなの普通に考えておかしいじゃん
まるで消えちゃうみたいに.......」
廉「そ、それは新幹線の時間やで？
俺は今東京に....住んでるんや
やから新幹線の時間とかな、まぁ色々あるんや
消えちゃうなんて
そんなんあるわけないやん(笑)」
ねぇ、なんで？
どうしてそんな嘘まで.........
涙が溢れ出して止まらない
そんなに嘘をつき通されたら
あたしもう、これ以上何も聞けないよ
廉はあたしに少しずつ近付くと
昔みたいに泣き続けるあたしを黙って抱き寄せた
優しい手は
髪の毛に優しく触れてそのまま撫でていく
安心する体温が伝わる
ずっとずっとこの体温に触れていたいよ
愛おしさが溢れてたまらなかった
あたしが愛してるのはやっぱり廉だ
今、目の前にいるこの人だ
.
.
「ねぇ、お願いがあるの」
廉「ん？なんや？」
頭上から降る優しい廉の声
大好きな声
これから言う言葉は
貴方のこと、困らせてしまうかな？
「.........廉、抱いて」
廉「へ？」
「......お願い
...........抱いて、あたしのこと」
これはあたしのわがまま
たぶんこれが、
廉に言える
あたしの最後のわがままになるのかな？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2040人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えりんぎぷ−る - 一気に読んで、たくさん泣きました！推しでもないれんれんなのに、、、www天使っていう設定がまたまた良いですね。 (2020年7月1日 22時) (
レス) id: 2200018ee9 (このIDを非表示/違反報告)
miii(プロフ) - はじめまして。一気に読みました！切なくて涙が溢れましたが、最後はとても暖かくて本当作者様の表現が素晴らしいです。おつかれさまでした。 (2020年6月3日 7時) (レス) id: 461d11f3fb (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - すみません！2019年ではなく2020年です！！ (2020年3月30日 1時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 続きです。まだまだ気になる部分は沢山ありますし、こんなにも切なくて愛おしいラブストーリーをお書きになった主様は最高な方です。ただ、一つ要望を言うとすれば、廉くんと再び巡り合うまでの出来事を読みたい。です。笑 長文失礼しました。 (2020年3月30日 1時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 続きです。玄樹くんが更に80年天使を続けたのはきっと、渚ちゃんと汐音くんの成長を見届ける事と、廉くんが天使としての仕事を全うして生まれ変わって、主人公の女の子と再び巡り合うことを見届けたかったからではないかと考えています。続きます。 (2020年3月30日 1時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：美雨 - miu -
| 作成日時：2016年1月1日 17時
