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71頁 ページ25

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「玄樹......くん

犠牲って........何?




廉は一体どんな願いごとを書いたの?




この日記の始まり、

あたしがいないって書いてあった

なのにあたしは今存在してる

でも廉はいない




廉は?廉は何処にいるの?」





.........怖い


この時の廉は何を考えたの_______?





なんとなく想像が付いてしまって

その残酷すぎる想像に身体が震え始めた







『.........Aちゃん』





「ねぇ.....玄樹くん


あたし、この日記

これ以上読みたくないよ



最後のページに行かなければいいんだよね?


そしたら持ち主の願いごと叶わなくなるんだもんね?


ねぇ、そうでしょ?」





『..........ごめん、嘘付いてた


頭がいいAちゃんなら分かるでしょ?



今廉がいなくて

Aちゃんは生きてる_______。



それはそういうこと

願いごとはもう既に叶ってるんだよ?』





「いやっ


そんなの..........

どうして?どうして?廉」





『...........ごめんね


でも順番に最後まで読んであげて欲しかったから』







気付かないフリをしてたけど

そんな気はしてた





ねぇ、廉、どうして_______?


もうあたし達は永遠に会えないの?




会いたいよ




いつもみたいに馬鹿な言い合いしたいよ


廉の高い笑い声が聞きたいよ


あの美味しいミルクティー淹れてよ


抱き締めてほしいよ


廉の愛を感じたいよ







「.........会いたい..........廉」







次々と零れ落ちる涙が

日記の廉の文字を滲ませていく





それでも止まらない

頬を伝い続ける涙を

玄樹くんの白い指が拭う





『.........分かった


会わせてあげる


でも後悔しない?

またさよならはしなくちゃいけないから』





「しない


もう一度廉に会いたいの..........」





“ 分かった ”





そう呟いた玄樹くんは





金色の日記帳を取り出し

そこにスラスラと何かを書き出した





この光景を見るのは二度目





『........明日、廉に会えるよ?』





にっこりと微笑んだ玄樹くんは



“ 明日の昼に連れてくるから ”





そう言い残すと

いつものように夜の闇へと消えていった







“ 明日、廉に会える ”




そう思うとやっぱり心は弾んだ





でも完全に両手放しで喜べないのは



それはきっとあたしが





廉の決断


その書いたであろう願いごとを

もうなんとなく分かってしまっているから

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えりんぎぷ−る - 一気に読んで、たくさん泣きました!推しでもないれんれんなのに、、、www天使っていう設定がまたまた良いですね。 (2020年7月1日 22時) (レス) id: 2200018ee9 (このIDを非表示/違反報告)
miii(プロフ) - はじめまして。一気に読みました!切なくて涙が溢れましたが、最後はとても暖かくて本当作者様の表現が素晴らしいです。おつかれさまでした。 (2020年6月3日 7時) (レス) id: 461d11f3fb (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - すみません!2019年ではなく2020年です!! (2020年3月30日 1時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 続きです。まだまだ気になる部分は沢山ありますし、こんなにも切なくて愛おしいラブストーリーをお書きになった主様は最高な方です。ただ、一つ要望を言うとすれば、廉くんと再び巡り合うまでの出来事を読みたい。です。笑 長文失礼しました。 (2020年3月30日 1時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 続きです。玄樹くんが更に80年天使を続けたのはきっと、渚ちゃんと汐音くんの成長を見届ける事と、廉くんが天使としての仕事を全うして生まれ変わって、主人公の女の子と再び巡り合うことを見届けたかったからではないかと考えています。続きます。 (2020年3月30日 1時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美雨 - miu - | 作成日時:2016年1月1日 17時

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