繋がれた約束【黒木場リョウ】

薙切家にて ページ5

ア「リョウくん、その子誰？」

俺がカバンの中から出した写真を見て
お嬢は言った。

リ「あー…俺が前働いてたトコのオーナーの娘っす。」

ア「ああ、北欧の？」

なるほど、というような表情で写真を見つめる。

ア「可愛らしい子ね。そんな写真今更出しちゃって、どうしたの？」

リ「…懐かしくなっただけっすよ。」

ア「ふーん…。珍しいわね。その子のこと
好きだったの？」

にやけながら聞いてくるお嬢。

リ「別に。オーナーの娘なんで、かまってただけっすからね。」

ア「えー…。つまらないわ。もっとないの？
エピソードとか！」

さらに話しを聞き出してくる。

正直めんどくさい。

リ「お嬢が喜びそうなことは何も…あ。」

ア「何、なに？」ワクワク

リ「結婚しようとは言われましたけど
その他は何も。」

ア「えー！何それどういうこと⁈」

リ「ガキの頃の話なんで。…もういいっすか？」


会話が面倒になり、写真をカバンにしまう。

ア「えー、つまらない。ならショッピングに行きましょ！」


リ「お嬢…、俺試作したいんすけど。」


ア「だめよ！私と遊んでくれなきゃ！」


リ「………………………。」

極星寮→←君の記憶

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す