似た者同士 ページ27
「──── もう行こうかな……裏山」
爛々とした眼差しから逃れるように立ち上がろうとすると、腕を引かれて再び座らされる。
(あ、こういう気分になるのか……)
自分がされて初めて知ったが、行動を制限されるのはあんまり良い気分でもなかったので、気を付けようと反省する。
「まだ返事を聞いてない」
「じゃあ、任務にも着いてっていい？頑張って強くなるから」
「ダメでしょ、危ないよ」
「だけど、もう片時も離れる気はありません！」
断言すると、善逸は赤くなって黙りこくった。
畳み掛けるように条件を突きつける。
「どこに行くにも着いて行きます。そして一緒に戦う。逆の立場なら、君だって同じ事言うでしょ？」
「……それは、俺は男だから……」
「女性だって戦ってる。それに、私は鬼舞辻を倒したいし、人間に戻りたい。……人間に戻ったら、善逸にあげたいものがあるの」
「あげたいもの？」
「きっと、気に入ってくれると思う。だから連れていって。私は家で大人しく待っていられるようなお嫁さんじゃないけど、絶対に君の傍から離れたりしません」
善逸は眉尻を下げて微笑んだ。
また好きな表情が見れて、私は嬉しくなる。
しかし、何を思ったのか、善逸が自信なさげに視線を下げた。
「……だけど、俺はAちゃんを守ってあげられる程強くは────」
「私、強くなる！柱みたいに、もっともっと！そうじゃないと、善逸の隣に居られなくなるもの。そうなったら、ここまで来た意味が無い！」
善逸の肩を掴んで、私は前のめりに言葉を遮った。
もう保護下に置かなくていい、負い目を感じなくてもいいのだと、言い聞かせるように。
これが私の選んだ、幸せのかたちだ。
それが伝わったのか、善逸の瞳に光が戻り、勢いよく立ち上がった。
私もそれに習って立ち上がる。
「お、俺も！もっと強くなりたい！Aちゃんの事も守りたいし……あと、困ってる人達を沢山助けてあげられるくらい、強くなります！」
「なれるよ！善逸なら！一緒に頑張ろう！！」
ぎゅっと、善逸の手を両手で握ると、
「ハイ！！！！！！！！！！！！！！」
と、めちゃくちゃ良い返事が返ってきたので、私は嬉しくなって満面の笑みで頷いた。
「なんだか、今日はいけそうな気がする……。カナヲちゃんにも、勝てそうな気がしてきた！」
「もう俺走ります！地の果てまで走ります！畑も耕します！一反でも二反でも耕してみせる！！」
こうして二人は大奮起した。
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maicoo(プロフ) - ゆんゆんさん» だいぶ前にコメント頂いていたのに、返信が遅くなり申し訳ありません！優しいお言葉、ありがとうございます。かなり間が空いてしまいましたが続きを書いたので、まだご興味がありましたら読んで頂けると幸いです。 (2020年10月9日 13時) (
レス) id: e4977cc5c7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆん(プロフ) - 更新頑張ってください！待ってます！ (2020年5月15日 15時) (レス) id: 91470d6548 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - プロ目指しているならちゃんと完結してほしかったです。 (2020年5月12日 3時) (レス) id: f03e58bde9 (このIDを非表示/違反報告)
maicoo(プロフ) - もっさん» コメントありがとうございます！実はプロを目指していて、普段はオリジナルを書いています。夢小説は文章と表現力の練習にもなるし息抜きがてらにやっているので、ペースはまちまちですが……。色々と悩む事があったので、凄く励まされました！これからも頑張ります！ (2019年10月7日 9時) (レス) id: e4977cc5c7 (このIDを非表示/違反報告)
もっ - このシリーズ、なんだかプロの小説家さんが描いているようで凄く面白いです…！更新頑張って下さい！！ (2019年10月6日 14時) (レス) id: c9f0456c30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：maicoo | 作成日時：2019年9月25日 22時
