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轟side
彼女が助かる代わりに
『アテナ』は…消えてしまう
俺は…それでも
Aに生きて欲しい
だけど彼女にとって
どれほど『アテナ』が大切か
どれほどこの仕事に人生を賭けているかも
俺は知っていたから
貴「少しだけ…考えさせてください」
すぐに答えが出せるはずねぇと分かってた
病室に戻ろうとすると
貴「屋上行こう、焦凍くん」
ツカツカと前を歩いて行くA
屋上に着くとベンチに座って
散り始めた桜を眺めている
貴「春の空気って…いいよね、落ち着く」
こちらに笑いかける彼女の目に
違和感を感じた
轟「…不安か？」
少し目を見開いた後、ヘラっと笑った彼女
貴「不安より…怖い、かな
私から『アテナ』を抜けば
何もなくなってしまう気がするんだ
ほら、私って…ヒーローになる為に
生きて来たも同然だしさ
自分の価値を見出せないまま…
生き続けることが怖い」
その時風が巻き起こって
桜の花びらが飛び上がって来た
彼女はそっと浮いた1枚をつまむ
貴「１枚散ったって…桜は綺麗なままで
それは人間も同じだと思う
私が1人消えても
きっと他のヒーローたちが頑張ってくれる
ただ…分からないの、どうすればいいのか
どうすれば幸せになれるのか
幸せってなんなんだろうね、焦凍くん」
パッと手を離すと
その花びらは俺の方に飛んで来て
足元に落ちた
轟「…俺は
お前が隣にいてくれるだけで幸せだ
お前が笑ってくれるだけで
お前が俺の手に触れるだけで
お前を抱きしめるだけで
それだけでいい
だから……」
悪りぃなA
俺は正直
『アテナ』が消えてもいいと思ってる
俺が愛しているのは、お前自身
零蘭Aという人間だから
真面目で、優しくて
自分の信念を貫いてて
なのに抜けてて、明るい
側にいると俺も頑張ろうって思えるような人間
もう一生出会えないような人間
だから
轟「…生きて欲しい
きっと…俺がお前を幸せにしてみせるから
生きてくれ
アテナじゃなくて
轟Aとして」
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kamakura(プロフ) - 感動ストーリーの域じゃないっすよ？！←褒めてます。めちゃくちゃ泣きましたもん。やっばかったです……ありがとうございます！！ (2022年7月28日 17時) (
レス) @page34 id: c5075f2fef (このIDを非表示/違反報告)
白霧 - 普通の女の子になりたかった。の方から続けてまとめて読ませていただいたのですがもうほんとすごくて……。Kのところめちゃくちゃ泣きました。 (2021年10月6日 17時) (レス) @page34 id: e728b470e2 (このIDを非表示/違反報告)
星雲1234 - タオル一枚、無駄にまりました。・・・・・ (2020年5月29日 10時) (レス) id: 419f5d1b3e (このIDを非表示/違反報告)
星雲1234 - まじで、泣いた。目が崩壊するほど、泣きました (2020年5月29日 10時) (レス) id: 419f5d1b3e (このIDを非表示/違反報告)
Mona(プロフ) - 愁さん» 最後までご愛読ありがとうございました！よろしければ他の作品も見てあげて下さい(^○^) (2020年1月12日 21時) (レス) id: bb0d022ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mona
x他1人 | 作成日時：2018年10月20日 19時
