月華―狼陛下の花嫁― (ページ5)

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冷酷非情の狼陛下　＃５ページ5

「…………。」

「え…あ、…り、李順さん…。」

「お二人とも…何をなさっているんですか…？」

クイッと眼鏡を上げる李順さん。

ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ…

や、闇が…！普段色んな人(主に陛下と私)にかけられている面倒事やら何やらが混ざりに混ざって滲み出ている！！！

「人払いはしているようですし…、仲睦まじくする必要はないのでは…？」
(バイトの分際で…まさか…ですよねェ…？)←夕鈴にはこう聞こえる

「あ、ははは…いや、これは…あ！そう！練習！ラブラブ夫婦を演じる為の練習なんですよ！！」

必死に作り笑いを演じるも、背中には冷や汗が流れる。

「ね！陛下！」

「えっ？あ、うん…」

陛下にも無理矢理同意させたところで、李順さんの顔色を伺う。

「――――――それは関心ですね。(にこっ)」

うっ、目が笑ってないわあの上司(ひと)…

「もし夫婦仲が悪いとか家臣に思われると厄介ですから。徹底した演技をお願いします。
しかし、…決して跡継ぎ問題になるようなことだけは…しないで頂けますよね？」

笑顔なだけにオーラが…

「も、もちろんですよ…あははは」

し、姑怖いッ…

これからの夫婦生活に不安が増した。