月華―狼陛下の花嫁― (ページ2)

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冷酷非情の狼陛下　＃２ページ2

「その件は当人を連れてこい。話はそれからだ。」

次々と仕事をこなしていく陛下。

でもやっぱり狼陛下はかっこいい...。怖いけど。

...ほんと怖いけど。

思わずじっと見つめてしまう。

バチッ…

！？

がっちりと繋がる視線に心臓が大きく跳ねる。

「どうした我が妃よ。」

クイッと私の顎を上げ、クスリと微笑む。

「少し疲れたようだな？」

「い、いえ...ご心配には及びません...」

鉄壁のお妃スマイルを浮かべる一方、ダラダラと冷や汗が流れる。

「私の大切な花は時折頑張りすぎる。だが、今夜会いに行ったときに愛しい笑顔が見れないのは少々寂しい。先に後宮に戻って私を待っていてくれるな？」

まるでこちらの反応を面白がるようにクスリと笑う陛下。

悔しいことにその妖しい笑みに胸が痛いくらいに脈を打つ。

「わ、分かりました…」

人前でも容赦ない甘い言葉の雨。

こんな危険なバイトやってられるかーーーーーー！！！！

そんなことを心の中で叫びながら、私は優雅に微笑んで政務室を後にした。