エスポワール・エレメンツ ~３~

Episode１１１ 夏大会後の引退試合 ページ17

明世サイド

月日は流れ、８月……

あのあと、青道野球部は夏の甲子園の予選の決勝まで勝ち上がったんだけど、昨年度の夏の王者・稲城実業高校に破れてしまい、あと一歩のところで甲子園を逃してしまった

しかも、栄純がイップスという心理的症状に陥って、調子を悪くしてしまったのだ

そんなときにデゼスプワールが現れなかったのが不幸中の幸いだったけど……

さすがにそろそろ、現れてしまうかも

そして、野球部は３年生が引退し、新体制へ

それに伴って、秀明と信二がついに１軍に昇格したんだ！

これで、皆、１軍になったし、デゼスプワールが来ても、少しは安心かな？

で、私は今、何してるかって？

明世「３年生の引退試合かぁ……まぁ、受験シーズンに入っちゃうから……というわけではなさそう」

ナディ「別の理由があるということですか？」

明世「うん。それが何なのかは私も分からないんだけどね」

私は今、ナディと一緒に野球部グラウンドの外で引退試合を観戦しているところです

あ！秀明がバックホームして、ランナーを釘付けにしてる！

明世「カッコいいなぁ……////」

ナディ「ふふっ、確かに。戦闘の時とはまた違う顔つきですね」

その後、試合は延長戦の末、３年生チームがサヨナラ勝ちをおさめた

明世「あら、夕方にまでなっちゃったわね」

ナディ「ええ。早く帰りましょう。」

その時、謎の地震が。

明世「！！ナディ……これ！」

ナディ「はい！イピロスの仕業です！」

手段を選んでいられないってグロームも言ってたから、イピロスもそう来たわけね！

ん？待てよ？

明世「ナディ！選手の皆さんは！」

ナディ「遠くから見てましたが、ほとんどは避難が終わっているようです。しかし……」

明世「……三塁側の現役側の方か」

イピロスのことだから、何人か巻き込んだみたいね

明世「ナディ。前に言ったこと、覚えてる？」

ナディ「次狙われたら、ばらす……でしたね」

明世「準々決勝の時は球場だからなんとかできたけど、今回はもうばらすしかないかもね」

ナディ「なら、お供しますよ」

明世「ありがとう。じゃ！いこうか！」

私とナディは三塁側ベンチへむかった

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