君がいちばん。 【Leo.N】

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Side.You
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周囲がアニメだったり芸能人に夢中になる頃、私は夢中になれるものを見つけることができなかった。



そんな私が初めて買ったCD。


Kis-My-Ft2の「キミとのキセキ」


当時の少ないお小遣いでCDショップに行き、手に取りレジへ向かう。

家に帰り、急いで開封し 再生させた。



ミュージックビデオに映る怜央くんは、紛れもなく私の知っている怜央くんなのに、なんだかどこか別の人に感じてしまった。


もう、私とは違う世界の人なんだ。


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CDが発売された翌日、「図書館で夏休みの宿題をやろう」と約束していたから、怜央くんは変わらず私の家まで迎えに来てくれて、私の隣を歩いてくれた。


「Aちゃん、キスマイさんのミュージックビデオ見てくれた？」

「あっ、うん、見たよ」

「どうどう？ちゃんと目立ってたかな？？」

「そう、だね」




苦しい。

怜央くんが、ジャニーズの話をするのが苦しい。


「Aちゃん？具合悪い？」

「……ごめん、家帰るね」


怜央くんの返事も聞かずに、歩いてきた道を全速力で戻る。



最低だ、

「おめでとう」
「かっこよかったよ」

そう言わなきゃいけないのに。

それなのに、口を開いたら
「嫌だよ」
「行かないで」
そんな言葉しか出てこない気がして。


ごめんね、もう君とはいられないみたい。


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