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Side.You
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夢だったんじゃないかと思うくらい、いろんな意味で刺激的だった昨日から一夜明け、今日はクリスマス。
バイト先であるカフェの店内もインテリアやメニューがクリスマスカラーに染まり、BGMにはちょっとジャズ調にアレンジされた定番のクリスマスソングが流れる。
来店するお客さんも、いつもであれば一人で来る人も多いが、さすがに今日は綺麗におめかししたカップルや家族連れが目立つ。
「で?昨日は楽しかった?」
「ん?」
夕方の休憩中、お互い間違えて持ち帰ったリップを渡しながら、梨絵が言葉を放った。
「そんな驚いた顔されても!!
イブに遊び誘ったのに断られるなんて、考えられるのはひとつでしょうよ」
思わず休憩室の机をバンッと勢いよく叩き、
詰め寄ってくる彼女の気迫に背筋がしゃん、とした。
「あ、そっか。そうだね、えっと、
大学の友達含めてパーティーしたというか」
阿部くんは現に大学の友達だし、あながちこの表現は間違いではないだろう。
「えー!絶対オトコだと思ったのに!」
「男の人もいたよ?」
というか、むしろ私以外男の人だったんだけど……。
これを言うと梨絵はうるさいだろうから、黙っておこう。
「A、かわいいし隙アリアリだからさぁ、変なことされなかった?」
「変なこと……」
昨日の出来事を頭の中でざっと振り返る。
インターホンが鳴って、メンバーさんたちがやってきて、パーティーして、お酒も飲んで、片付けようとしたら怜央くんが壁にもたれかかってて、近づいたら抱き締められて……。
そこまで思い出して、ぶんぶんと
首を横に振った。
あれは、お酒のせいだから…っ…!
「Aさ〜ん?顔が赤いんですけど?」
ニヤニヤした顔で声をかけてくる梨絵に、
うるさい、と強めに言って休憩室を出た。
従業員専用のお手洗いでメイク直しを
しながら、紅くなった頬に手を添える。
もし、あのとき阿部くんが止めていなかったら
わたし
怜央くんとキス、
してたのかな。
鏡に映る自分の顔が、また一層紅に染まった。
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おむらいす(プロフ) - 酔い潰れたれおくんカッコよすぎでキュンキュンしました///これからも、楽しみにしています!!! (2019年11月28日 23時) (レス) id: baf496e719 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - すごく面白いです!更新大変だと思いますが頑張ってください!楽しみにしています! (2019年11月26日 6時) (レス) id: 69c08597ca (このIDを非表示/違反報告)
めめ - すごくきゅんきゅんします! 続きもとても楽しみです! 更新頑張ってください♪ (2019年11月19日 23時) (レス) id: bf1361104c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひなおとめ | 作成日時:2019年8月3日 18時