返却 ページ25
SB「ほら、涙拭けよ」
そう言ってサボが差し出してきたのは…バスタオル。
SB「ハンカチじゃ足りねェだろ?」
「足りるわ!」
私たちのやり取りを見て笑ったルフィ。
良かった、さっきから元気なかったから…
「…ロー。もう下ろしてよ」
LW「駄目だ」
さっきからずっと下ろしてくれないロー。
…お姫様抱っこってやつのまま。
ZR「傷だらけのくせに自分で歩けるのかよ」
「少なくともゾロよりは正しい道を歩けるよ」
ZR「いつも迷子になってんのお前だろ」
いや、何言ってんの。
自覚なしの方向音痴は怖いなあ。
LW「どうせ立てねェだろ」
そう言いながらゆっくり私を下ろしたロー。
「立てるもん」
SB「だめだ。今すぐ帰ろう」
オロオロしながら私を支えるサボ。
「やだ」
AC「やだじゃねェよ。お前、自分の体、見えてねェのか?」
サボから離れて歩いてるとそうエースに言われた。
いや、まあ…血だらけだけど。
「でも、服買いたい」
そう言うと全員がため息をついた。
ZR「服なんて必要ねェだろ」
「ゾロは腹巻きあったらいいかもだけど私は違う」
LF「しししっ、服なら俺が貸してやる!」
「やだルフィの服」
私の服も買いたいし、それにみんなの服も買いたい。
私好みにしたい(欲望
「ね、サンジならいいって言うでしょ?」
じっとサンジを見つめると困った顔で頰をかいた。
SN「いくらAちゃんの頼みでも…」
「ええ!お願い〜〜」
なんでだめなの。
血だらけだからか?
「じゃあ服脱げばいい?」
「「やめろ」」
じゃあどうしたらいいんだ。
AC「…仕方ねェな。なら、俺が買って帰る」
「いや、エースはちょっと…」
AC「なんでだよ」
上の服買ってこなさそうだし。
SN「なら俺が行こうか?」
「サンジはダメ」
変な服買ってくるもんいつもそう。
「私は自分で行きたいの」
LW「駄目だ。医者の言う事を聞け」
一瞬、フラッとした私を受け止めたロー。
SB「買い物は明日にしよう。な?」
サボが顔を覗き込んできて首を傾げてそう言った。
…ちょっとだけドキドキしたよね。
ちょっとだけ。
「わかった」
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作者名:ちいず 。 | 作成日時:2020年6月3日 21時