地下の敵 ページ44
割れた地面の近くには倒れた敵とその近くで蹲るデクが見えた。
かっちゃんも飯田くんも瀬呂もいる。
でもなんかデクの様子が変。
また体壊したのかな…
「…ちょっと行ってくるね」
全員を運び終わった後、気になったので4人の元へ急いだ。
ヒーローに拘束された敵を横目にデクの側にしゃがんだ。
「デク、どうしたの？」
そう声をかけるとボロボロに涙を流したデクが縋り付くような目で私を見た。
「救えなかった…！」
「え？」
「薬、ないって…」
「はあ！？」
それって…全員助からないってこと？
目の前が真っ暗になる。
助けられないの？誰も？
「ふざけ…っ！」
悲しみと怒りが込み上げてきて敵を見る。
不気味に笑うその姿。
文句を言う前に涙のせいで視界が滲む。
「…みんな、死ぬの？」
「いやいや、毒とか嘘でしょ」
「嘘じゃなかったら…」
瀬呂の言葉にそう返した飯田くん。
「…大丈夫だ、プロの方々がいる。俺たちが泣いていたら皆を不安にさせてしまうだろう？」
私にそう微笑んだ飯田くんの額から汗が流れた。
みんな、不安なんだ。
なのに私は何を泣いてるの。
「…っ、ごめん」
グッと涙を拭いて唇を噛み締めた。
大丈夫、助かる。
きっと、大丈夫。
「みんなには言わないでおこう？」
「それがいいな」
私の提案に頷いた瀬呂が私の頭を乱暴に撫でた。
泣き虫な私を励ましてくれるのはいつだってA組の仲間たち。
死んでも死なせたくない。助けたい。
ボロボロのデクに手を貸して立ち上がらせる。
デクを支えて歩こうとすると相澤先生とプロヒーロー達が私の元へ来た。
「せんせ？」
「妖花A…ヒーロー名はフェアリです」
何故か紹介されて戸惑っている私を前に何やら話は進んで行く。
理解出来てないのは私たちだけ。
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ちらす - スライムさん» コメントありがとうございます(´∀｀*)恋愛ギリギリ攻めて行きます！笑 (2021年4月30日 2時) (
レス) id: 1d8247c716 (このIDを非表示/違反報告)
スライム - とっても面白いし、微妙にキュンキュンしますｗこれからも頑張ってください！！ (2021年4月25日 20時) (レス) id: 1ac7fa8ecd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちらす
| 作成日時：2021年4月14日 14時
