【d!】美味しいご飯の為ならば (ページ27)

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25食目ページ27

「ぐぬぬ……」

力を入れるもビクともしない。
ゾムさんは余裕そうで鼻歌なんか歌ってる。

「言うてマルコほどやないなぁ」
「そう、です、ね！」

そりゃそうだ。
私にはブランク(. . . .)があるのだ。

「ほれほれー、こんなんじゃボーナスやれへんぞ」

ボーナス…お金…お金！！！

「うおぉぉぉぉぉぉ！！！」

この際女子力的なものは全てかなぐり捨てるしかない。
渾身の力を右手に篭める。

「おっ！」

ゾムさんはニヤリと笑ったあとその笑みを消した。

「やるな、お前」

その一言と大きな音ともに私の右手は机に付いた。

「ゾム様の勝利です！」

ホルヘの声に上がる歓声。

「負けた…ボーナス……お金……」
「めっちゃショック受けとるやん」
「そいつ、三度の飯の次にお金が大好物ヨ」

賭け金を数えながら言うヤンさんに小さくパンチした。
あんたは三度の飯より金が好きでしょうが！

「さすがに料理人に負ける訳にはいかへんしなぁ。それにしてもA、料理人にしとくにはちょっと惜しいな。前なんかやってたりしたん？」
「かなり前ですが実は…」

質問に答えようとした瞬間、大きな音を立てて開かれた食堂の扉。
気のせいだろうか、蝶番が取れているような。

「……げ」
「おいこらゾムゥ！！」

そこには剣を片手に仁王立ちするトントン様がいた。

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ランキング1位、100以上の評価ありがとうございます。
拙い文章ですが読んでくださる皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。
ここまで一気にお話を更新しましたが、基本的に時間がある時にまとめ書きしてるので、更新が減ることもあるかと思います。

気長に更新をお待ちいただけると嬉しいです。