35食目 ページ37
刺された料理長とN国の2人は連行された。
食堂に残されたのは幹部の方々、私、そしてマルコ。
「では、説明願おうか」
グルッペン様の言葉にマルコがスープに毒が混入されたと気付いた経緯を説明した。
「ふむ」とグルッペン様は、私を見て「君の足は?」と淡々と問うた。
マルコに視線を向けると小さく頷いた。
話せ、ということだろう。
「私は元軍人でした」
何も驚くようなことでは無い。
マルコも、ほかの料理人の中にも軍を抜けて今の職に就いたものもいる。
面白くもない。
私の昔の話。
*
私の家は兄弟も多く、貧しかった。
だから長女である私が奉公へ出るのは当たり前の事だった。
海を渡りやってきたのは大きな御屋敷。
病床に伏せる一人娘の話し相手に、と私が寄越されたのだ。
弟妹の世話をしてきた私としてはお嬢様のとの時間は苦痛でもなんでもなかったし、ご主人様や奥様も良くしてくれた。
お給料は決して多くはなかったけれど、仕事としては最高だった。
けれどそれも戦争によって崩れ去った。
元々平和ボケしていた国だった。
あっという間に隣国に攻め落とされ、お嬢様もご主人様も奥様も殺.されてしまった。
使用人も例外なく殺.されるだろう。
そう覚悟していたのに、私たちは兵士として迎え入れられた。
元々数が少なかったのだろう。
素人でさえも兵士に仕立てあげたかったのだ。
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らに(プロフ) - ししゃも[watoさん大好き]さん» そう言って頂けて嬉しいです。ありがとうございます! (2020年3月13日 21時) (レス) id: 70456fd48d (このIDを非表示/違反報告)
らに(プロフ) - 稲荷神さん» ですよね! (2020年3月13日 21時) (レス) id: 70456fd48d (このIDを非表示/違反報告)
らに(プロフ) - なななさん» 更新ゆっくりで申し訳ないです(´;ω;`) (2020年3月13日 21時) (レス) id: 70456fd48d (このIDを非表示/違反報告)
らに(プロフ) - ゆきなさん» ありがとうございます! (2020年3月13日 21時) (レス) id: 70456fd48d (このIDを非表示/違反報告)
らに(プロフ) - macyaya4さん» ありがとうございます! (2020年3月13日 21時) (レス) id: 70456fd48d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らに | 作成日時:2020年2月12日 22時