第10講 ページ10
一織くんは…すごい。
いつも前だけ見て、立ち止まらない。
＿＿＿＿だけど、決して私を置いていかない。
私でも計り知れないほどの彼の覚悟に、私は寄り添うことしか出来ないのかな。
力になれたらいいのに…そう思ったけれど、今の私はただ、彼の背中から離れないようにぎゅっと抱きしめることしか出来ない。
｢そんなことないよ…わかるよ…一織くん。｣
一織くん。
私、不安はあるけど寂しくないよ。
一織くんの想いが、痛いほど伝わってくるから。
･
｢…Aさん、そろそろ車に戻りましょう。｣
｢…うん。｣
ひとしきり海辺を歩いて、2人で会えなかった2ヶ月分の話をした。
それでもまだ少し名残惜しい…と思ってしまう。私の方がよっぽど欲張りだ。
バタンと車の扉を閉め、2人ともなんとなく黙る。
車は動き出さない。
沈黙の後、先に口を開いたのは一織くんだった。
｢…私はあなたを不安な気持ちにさせています。連絡もマメな方ではありません。｣
一織くんの方を見ると、しっかりと目が合う。
｢でもこれからは、なるべく不安にさせないように一層心がけます。Aさんに余計な心配はさせません。｣
沈みかけの夕日の光に照らされて、一織くんはいつもよりさらに輝いて見えた。
……なんて素敵な約束なんだろう。こんなに幸せでいいんだろうか。
なかなか会えない日々の中で、寂しさもある…もちろん不安も。
だけど、会えない日々を、会える1日が幸せで満たしてゆく。
｢うん…！ありがとう…。｣
それに…なんか、なんか…
＿＿＿これ、プロポーズ前の台詞みたいだ…なんて。
｢…っ！｣
自分で考えておきながら勝手に恥ずかしくなって赤面してしまう。
｢どうしたんですか？｣
｢な、なんでもない…！ごめん…っ！｣
もう、何やってるんだ私。
この場に及んでなんてお花畑な妄想。
…でも、結婚式は海辺が憧れるな、なんて。
マリンウェディング？って言うのかな？
私がそんな呑気なことを考えているうちに、車は動き出し、夕暮れの海辺を後にした。
････････
〜後日〜
｢いっ…一織さん！！｣
紡が再び焦って一織を呼び止めるので、次はなんだと言うふうに一織は振り返る。
｢一織さんに…スキャンダル報道が…！！｣
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アイリス(プロフ) - 毎話コメントはしていないのですが通知が来る飛んでいくんですよ😂時間があれば読み返したりして何度も楽しませてもらっています！こちらこそいつも素敵な物語をありがとうございます🙇 (2022年3月6日 22時) (
レス) @page32 id: 01923abc00 (このIDを非表示/違反報告)
なたね(プロフ) - アイリスさん» アイリスさん！😳ご無沙汰しております😢そうですね、2人の心と天くんの心に注目して見守って頂ければと…😌今日の夜また更新予定なのでぜひまたよければ覗きに来てくださいね☺️いつも本当にありがとうございます！<(_ _*)> (2022年3月3日 11時) (レス) id: 1ba5a28d82 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - こんにちは！これからどうなるんだろう…！とドキドキしました😳だけど2人の心が離れることはないと思うので、嫉妬かわいい〜と楽観的に読ませて頂きます😂 (2022年3月2日 22時) (レス) @page29 id: 01923abc00 (このIDを非表示/違反報告)
なたね(プロフ) - monaさん» 更新するする詐欺になってしまっているのですが🥲2月半ば以降は繁忙期から解放されるのでガンガン更新していきます🙇♀️それまで宜しければお待ちください☺️コメが届いたので飛んできましたが、嬉しいお言葉有難うございました…!! (2022年1月28日 3時) (レス) id: 1ba5a28d82 (このIDを非表示/違反報告)
なたね(プロフ) - monaさん» monaさんコメントありがとうございます！なんて嬉しいお言葉でしょう🥲一織の口調や行動はかなり気をつけているので、そう言って頂き安心致しました…！アイナナ愛、感じてください…！☺️最近全然覗けてなくて(続きます💦) (2022年1月28日 3時) (レス) id: 1ba5a28d82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なたね | 作成日時：2021年4月29日 0時
