第25講 ページ26
「天さん」
なんて思わず口にした途端、顔から血の気がスっと引いていくのがわかった。
今勤務中なのに…しかもアイドルにぶつかって名前を呼ぶなんて、ストーカー行為に捉えられてもおかしくない行為だ。
だけど、でも…ずっとずっと憧れで、いわゆる「推し」だった人が目の前にいる事実に、足が、全身が言うことを聞かなくなる。動けない。
目が､離せない＿。なんて綺麗…
「あ！九条さん！おはようございます！」
私と天さんの目が合って1秒後。近くのエレベーターから降りてきたのであろう明るい声の彼は、笑顔でこちらに向かってくる。
「七瀬さん…おはようございます。」
アイナナの、七瀬陸だ…
たぶんだけど、私のことを知っている。私の顔も、一織くんとの関係のことも…知っている。
前に一織くんが「七瀬さん」がしつこく私のことを聞いてきてうるさいのだと不満をこぼしていたのを見た記憶がある。
「あれ？もしかして…Aちゃん！？」
や、やっぱり…
何となく気まずい。
「…？七瀬さん、彼女と知り合いなんですか？」
天さんは小首を傾げるその姿さえ美しくて艶っぽくて、つい凝視してしまいそうになる。
「彼女！？違うよ！Aちゃんはオレじゃなくていお…」
「ちょ、え！ダメですって！！」
「うわぁっ」
え、え今。
とんでもないことを言おうとしてなかったか、この方。
思わず陸さんの腕を掴んで制止してしまった。
すると間髪入れず私の肩に手が置かれた。
「清掃員さんお疲れ様です。」
＿＿＿え。この声は。
「あ！一織もトイレ行くの？」
「い、一織く」
いつもの調子でマヌケにも彼の名前を呼ぼうとした私を一織くんはものすごい剣幕(それも一瞬)で抑え込む。
…なんか、怒ってる？
「…」
そしてそんな様子を黙って見ている天さん…
その視線はまるで全て見透かしているようで思わず目を逸らした。
一織くんは大袈裟に咳払いを1回すると、私の肩から手をおろして言った。
「清掃員さん、ここは出演者と現場スタッフのみ立ち入りできる場所ですよ。迷い込んでしまったようですので私が出口まで案内します。」
「えっあの」
「私が。案内します。」
ものすごい、圧…
「なんなんだよ一織〜。オレ先にトイレ行っちゃうからな！」
「ご勝手に。」
一織くんは陸さんを軽くあしらい、この場からの退出を促すように軽く私の背中を押した。
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アイリス(プロフ) - 毎話コメントはしていないのですが通知が来る飛んでいくんですよ😂時間があれば読み返したりして何度も楽しませてもらっています！こちらこそいつも素敵な物語をありがとうございます🙇 (2022年3月6日 22時) (
レス) @page32 id: 01923abc00 (このIDを非表示/違反報告)
なたね(プロフ) - アイリスさん» アイリスさん！😳ご無沙汰しております😢そうですね、2人の心と天くんの心に注目して見守って頂ければと…😌今日の夜また更新予定なのでぜひまたよければ覗きに来てくださいね☺️いつも本当にありがとうございます！<(_ _*)> (2022年3月3日 11時) (レス) id: 1ba5a28d82 (このIDを非表示/違反報告)
アイリス(プロフ) - こんにちは！これからどうなるんだろう…！とドキドキしました😳だけど2人の心が離れることはないと思うので、嫉妬かわいい〜と楽観的に読ませて頂きます😂 (2022年3月2日 22時) (レス) @page29 id: 01923abc00 (このIDを非表示/違反報告)
なたね(プロフ) - monaさん» 更新するする詐欺になってしまっているのですが🥲2月半ば以降は繁忙期から解放されるのでガンガン更新していきます🙇♀️それまで宜しければお待ちください☺️コメが届いたので飛んできましたが、嬉しいお言葉有難うございました…!! (2022年1月28日 3時) (レス) id: 1ba5a28d82 (このIDを非表示/違反報告)
なたね(プロフ) - monaさん» monaさんコメントありがとうございます！なんて嬉しいお言葉でしょう🥲一織の口調や行動はかなり気をつけているので、そう言って頂き安心致しました…！アイナナ愛、感じてください…！☺️最近全然覗けてなくて(続きます💦) (2022年1月28日 3時) (レス) id: 1ba5a28d82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なたね | 作成日時：2021年4月29日 0時
