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ふと上がった、エリス嬢の明るい声。振り返ると、エリス嬢とアクセサリーで遊んでいる子供の姿があった。
「うーん、よく似合っているよエリスちゃん。やはり君にはエリスちゃんの友達になって貰いたい。マフィアに入ってくれ。エリスちゃんのこんな笑顔は滅多に見られないものでね」
「はあ!?」
首領が再び子供に手を差し出すと中也さんはそれと同時に叫ぶ。
「私が決めたことだよ、中也君。首領の命令は聞きなさい」
首領という立場を利用されたこの男に無理矢理納得させられた中也さんは頭を抱え、何回目かの溜息をついた。
「芥川、手前も首領も云っていることが、俺には本当に理解出来ねぇぜ。この餓鬼も分かってないだろうし」
中也さんと同じように視線を移すと、先程と同じく明るい笑顔を咲かせた子供が見えた。
言われてみればこの子供は鏡花と違ってよく笑う。先程まで死にたいとビルから意図的に転落するような奴なのか、と疑うほどに。
「リンタロウ、このお姉さん怪我してるわ。可哀想じゃないの」
エリス嬢に言われなければ忘れていた。先刻、羅生門は子供を怪我させたのだ。
「ごめんよ、エリスちゃん。芥川君、この子を手当してあげなさい」
「はい。……樋口、子供を手当してやれ」
「はい、先輩」
首領は、子供を手当するよう僕に言う。
返事はしたがこれは樋口の役目であり、僕の仕事ではない。手当なんて不慣れな類だ。この部屋には居ない樋口に扉を通して呼びかけると、元気の良い返事が返ってきた。
故あって、マフィアの首領と対面している子供。
首領の気まぐれなのか、それとも考えがあるのか、子供がマフィアの一員となった以上、責任を持って貰わないといけない。
「あのっ、芥川様?」
僕に問う子供は、ポートマフィアと言う組織を理解していない。
「僕をそのように呼ぶ必要は無い」
「…芥川龍之介様?」
「そう呼ばれるのは気に食わぬが」
「龍之介様」
「駄目だ」
様を付けられるのが気に食わないのだと子供は気が付かない。それにしても何だ、龍之介様とは。初めて呼ばれて困惑気味だ。
「忘れるな、お前が此処に居るのは首領の命令だからだ。『お前が僕と出会う前から、首領はお前のことを知っていた。』ということになる。お前は勘違いしているかもしれぬが、お前をポートマフィアに推薦したのは僕ではなく首領だ。分かれば僕に話しかけるのを辞めよ」
「でも芥川様、……芥川さん、」
「それで構わぬ。で、何だ?簡潔に的確に話せ」
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作者名:とおゆち x他1人 | 作成日時:2023年4月22日 22時