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小型爆弾とも知らず梶井が報酬を受け取った瞬間、老人が爆弾の一つを紳士に投げつけて逃走したのだそうだ。
梶井のアドリブの演技に、そうきたか、と中原は思った。
「俺とお前と被害者しか居ねえのに、お前がやっていないと言われても信用出来ねえな」
「被害者は死亡、僕は殺して居ない、この現場には3人だけ、となると真相は一つ。犯人は貴方です!これで解決だ」
「おい、待て待て、老人はどこいったんだよ!俺は手前を捕らえにきた警察だろ!」
立ち上がり、自分を指差して笑う梶井に中原は慌てて言う。誰一人納得出来ないめちゃくちゃな物語だ。
「これは没だ、次の案を考えるぞ」
二人で考えて居てもなかなか進まない。誰か手伝ってくれる人は居ないかと中原は実験室を出た。
広津と話していた立原を呼びつけると、「首領命令だ」と言い、立原の前を歩く中原。
「これはこれは立原殿、ようこそ梶井室へ」
梶井は爆弾を両手に持ち、立原を実験室へ押し込んでドアを閉めてしまった。
中原が桃華の試行を考えている事を伝えると、立原は随分と気の抜けたような顔になった。
「何だ、俺今から爆弾で殺されるんだと思いました」
「エリス孃には悪いが、殺され役は此奴だ」
中原は床に転がって居るぬいぐるみを持ち上げると、また床に置いた。
何故一回持ってまた置いたんだ、と立原は思ったが、大した理由は全く無さそうなので演技の確認をする。
「俺が殺人事件の発見者で良いんですよね?」
後はアドリブでなんとかすると言う梶井に従い、立原は特に考えずに騒ぎ出した。
最近樋口の相手ばかりしていた立原は少し乗り気だったのだ。
「誰か来てくれ!人が死んでいるんだ」
「どうした、何があったんだ?」
中原が近づくと、立原はそれっぽく説明を始める。
「俺は女の死体の第一発見者です。腹に果物ナイフが突き刺さった状態で見つけました」
「此処で梶井の登場〜!この梶井が事件を素早く解決して差し上げましょう」
先程とは違い、自分以外で事件を目の当たりにした人が居る。立原の話を聞いても、犯人の情報は一つも出てこない。
「この女性の腹にはナイフが刺さって居る、となると真相は一つ。この女性は自@殺したのです。これで解決だ」
「おい、待て待て、証拠が無さ過ぎるだろ!」
文句を言う中原に、警官役の梶井が弁解しようと立原のせいにしてしまった。
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作者名:とおゆち x他1人 | 作成日時:2023年4月22日 22時