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入社祝いを渡したにもかかわらず、桃華がマフィアに生涯を掛けるかの意志が見えず、迷っているというのだ。
何故梶井なのかは、歩いていたら偶然と遭遇したから、くらいの理由だ。
「嗚呼、そうなんだ。そうなんだよ梶井君。だが私は、残念なことにあの子の事がまだちっとも分からない」
桃華の試行をもう一度頼みたいと森は言うのだ。梶井は張り切って紙とペンを取り出す。
「この梶井にお任せあれ、今度も完璧な台本を作成致しますよ。今度は檸檬型爆弾を使用致しましょう」
しかし、実験室でせっせと台本を作る梶井を止めたのは中原だ。
「おい、手前に任せたらロクなもんになんねえ、部下に作らせろ。それか俺に作らせろ」
「じゃあ一緒に作りましょう、中也殿」
「まあ…、良いぜ」
実は乗り気なのか、そんなにも彼が梶井を信用していないのかは、中原にしか分からないが、少なくとも梶井はノリノリで考えている。
「判断基準は何だ?俺たちはそんな試行やってないぜ?」
「首領は、桃華殿を気にしておられましょう。桃華殿は『マフィアに尽くすという心構えが少しでも見えなくなれば即クビ』なのです」
梶井は首領からの伝言を書いた紙を中原に見せた。黄色のペンで書かれた情報を見ようと、中原は近づく。
「見え辛いじゃねえか、何故黄色なんだよ!まあ予想は付くが」
「もっちろん檸檬色だからです!」
本当に此奴大丈夫か、と中原はいよいよ悩ましかったが、話を進めないといけない。
事件と言えば暴力だと考えた中原はつまり、殺人事件を起こす気満々なのだ。
「外部の人間も巻き込むか。梶井が殺人事件の濡れ衣を着せられるってのはどうだ?」
「ふむ、では実際に誰かを殺害する必要が有りましょう。当然、檸檬型爆弾で!」
「梶井の演技力が要るな…やってみろ」
「では梶井、いきますよー!」
梶井は中原から離れ、エリス孃から借りたぬいぐるみを人間の死体に見立てて床に置いた。
「僕は殺して居ないんだ、信じてくれ!」
警官に押さえつけられた設定で梶井は床にうつ伏せになり、顔だけを上げて中原を見た。
「じゃあ何故此奴は爆弾を持っていたんだ。お前が仕込んだんだろ」
中原はひよこのぬいぐるみと爆弾を指差す。
「違う、僕は『荷物を運ぶのを手伝ってくれ』とご老人にこの爆弾を渡されたんだ」
「その荷物が爆弾だった訳か」
「いいえ、報酬が爆弾だったのです」
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作者名:とおゆち x他1人 | 作成日時:2023年4月22日 22時