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今までの話を聞いていると、子供は鏡花のことを嫌っていることが明らかになってきた。それこそ、自らを殺す程に。
「殺したい人、思い浮かぶか?」
控えめに頷く子供。異能を持っていないとはいえ、此奴は暗殺者である鏡花の肉親だ。
「樋口、この子供は連れて帰る」
「はい先輩。ですが、取りあえず羅生門から解いてあげて下さい」
樋口に言われてやっと気がつく。そうだ、僕はずっと子供を縛っていた。
言い訳するつもりは無いが、怪我をさせられているのに、子供は「痛い」とも「離して」とも言わない故忘れていた。
「済まない」
羅生門が解かれ足が無事地面に着いても、礼を言うだけの子供。
僕はまだ気がつかない。肉親だからといって、同じように才能が分け与えられるわけではないことに。
「おいおい手前、何だその餓鬼はっ!?」
任務を終え戻ると、中也さんが子供を見るなり、驚きの余り大声を出した。
「さっき道で拾いました。これも、人虎を殺す為です」
「おい芥川、手前が何を云っているのか俺は全く分からねえぜ。樋口、説明しやがれ」
「はい」
完結で的確な説明をしたのに、困惑しかない様子の中也さん。中也さんが樋口に頼るのは癪だったが、誤解を解く為には仕方ない。
この子供は鏡花の実の姉であること、鏡花のように探偵社員として認められなかったこと、親にすら必要とされなかったこと、自死しようとしていたところを僕らが見つけたこと。
先程、僕と子供が話しているところを黙って見ていた樋口は、中也さんに詳しく話した。
「はあっ?阿呆か手前らはっ!特に芥川、手前はこの餓鬼が妹のように暗殺の才能が有ると思った訳だ。此奴には異能力がねぇのに。それどころかこの餓鬼、今まで人を殺した経験もねぇんだぞ。マフィアでやっていける訳有るかよ」
呆れ顔で僕を見ると組んでいた脚を戻し、帽子を浅く被り直した中也さん。
「中也君、何があったんだい?」
エリス嬢と一緒の首領は、中也さんの大声に驚いたようで部屋から飛び出してきた。
「首領、お騒がせして申し訳御座いません。芥川が自@殺志望の餓鬼を連れてきた様子で」
さっきまで怒鳴っていた中也さんがいきなり膝を付いて
謝り始め、首領にとってますます訳の分からないことになった。
「はあぁ?」
首領は当然のように先程の中也さんと同じ反応を見せる。
「おぉ、久しいお客さんだねぇ」
しかし、子供を見るなり近寄り、手を取った。
「可愛らしい子だろう?エリスちゃん」
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作者名:とおゆち x他1人 | 作成日時:2023年4月22日 22時