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「待て、外出歩く時は変装しろよ?」
立原の言うとおり、桃華は首領室へ向かう。
「失礼します」
変装したいと伝えると、首領が出したのは二枚の洋服。
「君は学生の格好をしなさい。どっちが良いかな?気に入らなければ新しく買おう」
「此方を貸して頂きます。有り難う御座います」
「返さなくて結構だよ」
桃華のものとなったその洋服は、ブレザーという名前がついているらしい。
「その格好で外に出てはいけないよ」
桃華を引き止めた首領が言うには、この見た目ではいけないとのことだ。
普段は一つに後ろで括っている胸下までの黒髪は染め粉で白く染め、耳下で二つに編んだ。耳下まである左右の後れ毛を残し、前髪は上げてピンで留めた。
妹と同じ青い目には暗い赤色のカラーコンタクトを入れ、丸い眼鏡をかけて完了だ。
「完璧だね。別人のようだ」
首領が出した鏡を見て雰囲気が変わった自分に驚き、はしゃいだ拍子に声が枯れた桃華は、首領にじっと顔を見られた。
やば、と顔を上げ、桃華は頭を下げた。
「有り難う御座いました。長時間失礼しました」
「ちょっと待ちなさい」
桃華を引き止め、小声で尋ねた首領。
「桃華ちゃん、写真を撮らせてくれないか?」
桃華枯れた声を指摘されなかったことにほっとして、素直に写真を数枚撮られ首領室を出る。
咳払いを数回繰り返していた後、桃華声は元通りな訳で、誰かと話すことにいちいちためらわずにすむのだ。
「誰だぁ、お前?あ、もしかして少女…、桃華か?」
すれ違った立原に驚かれ、これで変装は完璧だと桃華は自分の髪を撫でた。
桃華の引き起こした事件が二件だという事も関係しているが、外に出ても、マフィアの一員であることには誰にも気づかれない。それにしても久しぶりの外の空気だ。
今まで外にでる機会が少なかったから、一輪の花にも道路を走る大型のトラックにも目を引かれ、桃華は歩くのが楽しかった。
とけた靴ひもを結ぼうと屈むと、文具を見ていた人が桃華に近寄ってきた。
「あのっ、大丈夫ですか?顔色悪いですけど」
頷き礼を言った桃華に、その人はもう一度同じ質問をした。
「あの、本当に大丈夫ですか?」
声を掛けてくれた人を見て、桃華は驚いて思わず顔を二度見したのだ。
※
夜に呼ばれ、今桃華は、機械室に樋口と二人きり。
「お前、今日は変にそわそわしている。悩み事があるなら聞くぞ」
「恋したら…、私、マフィア失格ですか…っ?」
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作者名:とおゆち x他1人 | 作成日時:2023年4月22日 22時