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そんな作業の何処が楽しいのか理解出来なかったが、一週間程度たち、パスポートを完成させた。
「これを利用すれば、XKの奴らさんを犯罪者に仕立て上げることが出来ます。パスポートは完成しました。あとは奴らさんの持つパスポートをこの偽造パスとすり替え、XKの建物から出るように奴らさんを仕向けるだけです」
谷田は、完成したパスポートをひらひらと頭の上で掲げる。子供の作成した書類には素直に感心するのだが、谷田が書類通りに読み上げる「奴らさん」に違和感を感じる。
「奴らさんの仕掛けは、XKの建物内でしか発動しません。建物から出さえすれば、奴らさんは無力です」
奴らの服に触れば爆弾が発動する仕掛けがあるとはいえ、それは奴らの建物内だけだ。建物外で奴らを殺して仕舞えば、奴らの仕掛ける爆弾なんて塵同然。
建物が爆発するだけであり、僕らは死なないのだ。
太宰さんのような死を恐れぬ者も居る中、攻撃した者をも巻き込んで爆破などというくだらぬ仕掛けをするとは、XKも愚かだな。敵は殺せるが、自分も死ぬかもしれないような仕掛けなんぞ、愚者のすることだ。
「うあ、掛かった、馬鹿だなあ」
樋口まで楽しそうにしている。
作戦通り、XKがマフィアのビルに乗り込んで来た。
指示を出した子供の言う通りに、XKの上長の息子の殺害を試みた。
上長は自分の命よりも夫の命を、そして息子の命を大切にするような奴だ。
幼い頃からマフィアの手で両親共に殺害され、最愛の弟まで殺された、哀れな上長。
何者かによって元上長である夫を暗殺された際には、暗殺者の関係者ごと十数人、一晩で皆殺しにしたという。
子供が作成した資料の中にあった情報だ。
上長の名は、
谷田はXKの被用者に変装し、「下級構成員、中級構成員を残したマフィアの奴らが米国の組合(ギルド)に乗り込み、首領、幹部、上級構成員をはじめとした構成員共が不在」という嘘の情報を流す。
息子を殺され、狂った獣となった忌部は、十数人の被用者を指揮し、マフィアへ乗り込んで来たのだ。被用者の中の一人は、谷田。
「首領も幹部も不在の貴様らに、勝ち目など有りはしない。さあ、やってしまえ、谷田」
声を張り上げた忌部の指示に、谷田はゆっくりと樋口に銃口を向けた。
当然これは―、
「異能力」
頭の中で作戦を思い出している暇など無かった。樋口の脚が獣に噛まれたのだ。
忌部の異能に、樋口は痛そうな呻き声を上げる。
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作者名:とおゆち x他1人 | 作成日時:2023年4月22日 22時