いち ページ1
今頃かな？あの子が手紙を読んでるのは。
今の時代、下駄箱に手紙を入れて教室に呼び出すなんて笑っちゃうよね。でもメールや電話では伝えきれない気がして。
でも、やっぱり直接は恥ずかしいな。ちょっぴり後悔…。意思グラッグラ。
時刻は、五時。既に傾いた夏の日差しは風ではためく薄いカーテンを通し、柔らかくなって私を照らす。
すっかり空はオレンジ。帰っていく生徒が目に止まる。
……ぁあ、帰りたい。
今思えば後悔ばっかりだ。告白なんてやっぱり早いよ！話した事あんまり無いし！どうしよ、どうしよ。て、手紙捨てられてずっと来なかったりしたら…私、立ち直れない。
…緊張通して気持ち悪くなってきたぞ…？やばいんじゃないか？
……断られたらどうしよう。なんだかマイナスの方に思考が傾いてる…駄目駄目、明るくいこう。明るく…くぅ。
練習しとこう。え、えーっと。レトルト君。ずっと前から好きでした。付き合って下さい。
………んー、シンプルすぎるよね。
…別に、レト君が好きな訳じゃないけどどうしてもっていうなら付き合ってあげてもいいんだけどねっ。
……自分で言ってて訳が分からないよ。
レト君がきて、その時喉から出てきた言葉って昨日決めたのに…。思ったことを口にすればいいのよ。好きって気持ちを。
「遅くなってごめんなーA。」
「あ、は、え、い、いや。レト君。」
急に心臓先輩が仕事をし始める。
体温はどんどん上昇。見事なまでに顔は赤いだろう。今体温計を使ったらインフルエンザにも勝てる。
ああぁあ、どうしよ、頭が真っ白になって言葉が出てこない…！
「あのねっ！レト君！」
彼は「ん？」とのんびり笑った。
その『へにょー』って効果音がつきそうな笑顔が、大好き。
「私ね。レト君と…ずっと一緒にいたい…って…いうかね！…その…まぁ要するにね！」
「分かった。」
得意気に腕を組む彼。いや、絶対分かってないって。……なんとなく汲み取ってくれてっていうならイケメンなんだけどこのドヤ顔からしてないだろうなぁ……。
「じゃあ今日から友達！」
ガッ！と手を握られ更に体温は上昇。あわあわ。それに分かってないじゃーん。なんて言えばいいの？と、とと、とりあえず誤解を解くぞ…！
「だから、私！ずっとレト君のこと…！」
「分かってる分かってる、ずっと友達やで？」
分かってないってばぁああああ！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 24人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「実況者」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：たけのこご飯
作成日時：2015年12月9日 20時
