4 ページ4
ブースで声を録音していた潤ちゃんは、いつものヘラヘラしたような顔はしてなくて、真剣だった。
すごい、かっこいい。
他の人もすごい。熱量がすごい。迫力がすごい。語彙力がひつようないくらいすごい。あらわせないぐらいすごかった。
それにキュンとして、改めて惚れたのは言うまでもない。
初めて潤ちゃんがこういう感じのお仕事してるんだって見たし...。
A「お疲れ様です!!」
本日分の収録が終わり、バラバラと人がブースから出ていく。
礼儀として、頭を下げて労りの言葉をいう。
潤ちゃんは人が変わったように、
潤「どうだった?」
と、軽く抱きついてくる。
こら!と軽く叩くとすっと離れて、今度は見つめてきた。
目を離すまいと、どんどん顔が近づいてくる。
こんなことしなきゃ、かっこよかった!って素直に褒めるのに。笑
少し押し返して距離を置いて、ちゃんと目を見つめて、
「かっこよかった」
とふんわりとほほえんで言った。
潤ちゃんはむふっと笑って、帰ろうと言った。
潤ちゃんの車に乗って事務所まで帰る。
その間は、声優とマネージャーじゃなくて、伯父と姪でもなくて、彼氏と彼女。
A「潤ちゃん、すっごくかっこよかった!私、正直びっくりしちゃった。ううん、前から色んなので見てたけど、生ってほんと、迫力が全然違って!
惚れ直した!笑」
潤「お、マジ?やった」
潤ちゃんの運転する横顔を見ながら、あぁかっこいいなぁって何度も思う。
今日の収録にほんとに感動して、じーっと横顔を見つめてると、
潤「キスしたいの?」
A「へっ?!?あっ?!?ち、ちがっ」
よく福山潤はドSだという。
こう、絶対向こうからキスしたいのって言わせてくる。
甘々な福山潤とかそんなの素じゃない。
と、世間には思われてると思う。
でも、私の場合は、
A「.....潤ちゃんがしたいんでしょ」
髪の毛先を口元に持ってきて、そう照れ隠しに言うと、
ご名答、と言って、髪の毛を持っていた手を握って髪の毛を離させて、あいた口元にキスをする。
運転中だから短くて触れるだけのキスだったけど、私にとっては何でも幸せ。
ゆっくり見つめ合って、青信号になったからって正面を向いてまた車が走り出す。
私と彼は20歳差。
それでも、この想いの重さは同じなんです。
7人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:めると | 作成日時:2019年7月16日 22時