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とぼとぼと廊下を歩きながら、先ほどコーラを買った自販機に再び向かう。
うう。潤ちゃん手厳しい。
確かに言う通りだ。本番前に炭酸飲料なんて飲まないのが常識だと思う。
ただ、喜んで欲しかった一心だったのにな。
「あ、Aちゃんじゃん」
A「...？あ、立花さん！」
BLACK SHIPの潤ちゃんともう1人の社長の立花慎之介さん。
えぇもう何から何までお世話になっている。
立花さんの事務仕事の邪魔をしないよう手伝うのが私の仕事でもある。
A「お疲れ様です！そっか、確かに同じスタジオでしたね」
立花「うん、そっちは初現場、順調？」
A「それが、さっきコーラ買ったら潤ちゃ...潤さんに怒られて水買い直しに来たんです...ダメですね...」
潤ちゃんはめったに怒らないし、人前ならなおさらだ...と思っていたから、よりダメージを受けた。
雰囲気からテンションの下がったのが読み取れるほどわかりやすい私に、
立花「大丈夫大丈夫、潤どうせからかっただけだから」
と、私の頭にぽんと手を乗せて、すぐバイバイと去っていった。
少し元気が出た。やっぱり立花さん優しい。
って、頼まれてからすでに3分経ってる...やばい。
潤ちゃんは時間に厳しい。
小銭を慌てて入れて、ペットボトルを手に取るやいなやダッシュで部屋に戻った。
部屋に入ると潤ちゃんは、何やら仲良しの声優さんと談笑中のよう。
ふっとその声優さんがこちらを見て私に気づいた。
潤ちゃんはというと、その人にスマホを見せながら、
潤「見てこれ、年長のころのAなんだけどさ、やばくない？天使の輪っかついてるよね頭に。羽も見える、花畑も見える」
.......。
私の幼少期の話らしい。
落ち着け、ここで「潤ちゃんのバカ！」とかいうと、これからの人生が炎上しまくりになる。(オーバーな妄想)
一呼吸置いて、
潤ちゃんのほっぺに買ったばかりの冷たい水を当ててやった。
潤「でさ〜ほんと俺にデレデレだったわけ冷たっ！？！」
A「潤さん！やめてください！」
そういうと潤ちゃんはやっと私に気づいて、はっとしてまた説教モードになった。
潤「ちょっと！自販機に買いに行くだけで５分もかかってんじゃん！遅い！」
A「それは、立花さんがいらっしゃったからご挨拶していただけです！それよりも私の幼少期晒すのやめてください！恥ずかしいことこの上ないです！」
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作者名：めると | 作成日時：2019年7月16日 22時
