ア イ ノ カ タ チ 。【時透無一郎】

完成 ページ12

３日が経ち、補聴器ができる日だ。

耳が、聞こえるようになったらどんな風に世界が変わるんだろう…。









胸が少しドキドキさせながら
蝶屋敷に向い、待っている。
し「Aさん出来ましたよ。」
しのぶさんが、出てきた。









スポッ
「！？」
耳に何か挟まった…。








.









し「Aさん聞こえますか？」
………。
「…！」
しのぶさんの声…。
し「Aさん？」
しのぶさんの声が聞こえ…る。









「聞こえ、ます！」
自分の声がハッキリと聞こえた。
嬉しい、

し「おめでとうございます！良かったですね。」
「う…れし、い。ありが、とうござい…ます！」
し「今度もっとお話をしたいです。」
「はい、」
し「Aさんこれから任務ですよね？」
「そ、うです…」
し「気をつけて下さいね。」
「はい！」


扉を閉めた。


嬉しい…。ちゃんと会話が出来た。
しのぶさん…本当に感謝…。


「わぁ……。」
小鳥のさえずり、町の人の会話、風が吹く音。
聞こえる…。補聴器って凄い。









.









鴉「カァーカァーコッチダ！」
「はい。」
私の走る音が聞こえる。鴉の声が聞こえる。

鬼の攻撃も分かりやすい。
桜の呼吸……壱ノ舞……乱れ桜。
鬼の首が飛んだ。血しぶきが飛ぶ。



町人「ありがとうございます！！！」
子供「ありがと…お姉ちゃん！」


皆の感謝の声が聞こえる…。






気持ちが弾む。
見える世界が変わったような気がした。

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