霞柱の継子ちゃん

ー陸ー ページ9

時透無一郎目線
天磨は血鬼術で、変えられた。



けれども、何故Aの大切な人が天磨なんだ？
名字が一緒だ…。兄弟…!?









そんなことよりも鬼を斬らないといけない…。
Aの方をチラッと見ると、手が震えていた。



鬼が化けてるとはいえ大切な人の首を斬らないといけないのは、ものすごく苦しくなる。








「でも大丈夫です！斬ります。」
と言ったがとても大丈夫そうじゃなかった。
手はまだ震えていたし、顔は苦しそうだった。









『まって…。』
『手が震えてる。僕が斬る。』
落とした刀を持った。






『霞の呼吸…肆ノ型、移流斬り』
鬼の首が跳んだ。







天磨とは、柱の中でもよく話す仲だった。
僕が記憶喪失していた時でも話していた。
とても強かったそして、優しかった。
尊敬していた。
『天磨、ありがとう。』
と、斬った瞬間言った。







Aは泣いていた。
何か理由はないけど近寄り、抱きしめていた。




『大丈夫。泣きたいときは泣いていいよ。』
Aの気持ちは、痛いほど分かる、いい人だから。
悔しそうな表情を浮かべていた。





「ごめんなさい…。」
とAは、言った。

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