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嘘9 ページ9





夜は静かだ。

バレー部の部活が終わる頃は大体7時半。

そろそろ日が長い頃だが、まだ7時半でも暗い。




そして私の心臓はバクバク言いながら、徹と無言のまま、歩いていた。


徹も晴香先輩が言っていた"噂"を耳にしたんだろう。



…じゃあ、いいや。
分かってるなら。



「ねぇ徹」

「ん?」




「…別れよっか。A、疲れちゃった」





徹とまだ繋いだ手は冷たくて
徹の手が震えているのがわかった。


…ごめんね、徹。

私じゃ、君を幸せにできない。





「…そっか。いままでありがと。」



「ううん、私よりいい人がきっと見つかるから。」





身近にいるから。


だから…






「いっぱい笑って、いっぱいバレーして、いい人見つけてね。」





じゃあね。



そう小さく呟いて、スルッと私と徹と繋いでいた手は離れた。








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作者名:なゆ | 作成日時:2017年7月15日 13時

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