四十五輪 ページ49
A「……サスケ、お前その眼は…！」
サスケ「……あぁ、何でか知らねぇがよく見える。」
どうやらサスケ自身、写輪眼の事には気付いてないようだ。
紅く染まるサスケの両眼に白も驚いている。
白「そうか…君も血継限界の血を…。 だとすれば、そう長くは戦えません…僕の術はかなりのチャクラを使うので、術による移動スピードを保つのにも限界があります。」
白は、千本を持つと真っ直ぐナルトに向かって突っ込んで行く。
A「待て、サスケ！それは罠だ！」
白に向かって行くサスケの腕を掴もうとするが、私は何も掴めないままその行方を眺める事しか出来なかった。
A「サスケェ！！」
すぐさま、駆け寄りサスケの体を支える。
千本は腕や足…首にまで刺さっていた。
ナルト「うっ…ん…A？サスケは……。」
サスケ「まったく…お前は…いつまでたっても、足手まといだぜ。」
サスケと言いかけたナルトが、目を見開く。
サスケ「な…なんて顔してやがんだ…よ…この…ウスラ…トンカチ…。」
ナルト「な、んで…。」
力無く呟くナルトに、フンとサスケが笑う。
サスケ「お前なんか大嫌いだったのによ…体が勝手に…動いち…まったんだよ…バカ！」
ウッと呻き声をあげるサスケに、無理に声を出さないように言うがサスケはポツリ、ポツリと喋り出す。
サスケ「あの男を…兄貴を…殺すまで…死んでたまるかって…思って…たのに…“お前は死ぬな…”」
スッとサスケの目が閉じる。
ナルトは私からサスケを抱き抱えると、涙を流す。
白「彼は僕に一撃をくれ…ひるむことなく君を守って死にました。
罠だと分かっていても、守るために飛び込んでいける。
彼は尊敬に値する忍でした。」
倒れていた白は、立ち上がり鏡の中に入っていく。
白「仲間の死は初めてですか…これが忍の道ですよ…。」
ナルト「うるせぇ…。」
片手で、サスケの頭を支える。
A「ナルト…？」
ナルトの顔を除きこんで、息を呑む。
釣り上がった真っ赤な目に、長く延びた牙を剥き出しにしている。
＿＿＿殺してやる！！
ナルトは真っ赤な目そので、白を睨み付けた。
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作者名：エビ猫 | 作成日時：2018年6月1日 19時
