１０９話 ページ16
｢これより！
元海軍本部中将桃亜の処刑を開始する｣
たくさんの好奇と怒りの目が自分に向けられる
俺は一歩一歩自分の処刑される斬首台の階段を上がっていく
その音は遠くまで響く。それほどまでに静寂していた。緊張感の漂う処刑場
中将は俺に背を向けたまま海と対峙していた
｢桃亜は狸屋の潜入員として情報を回していた！！
非常に残念だ。｣
俺が登り終えると少しも残念でなかろうにセンゴクがいう
俺はキッと睨みつける
｢俺は狸屋だ。忠誠を誓うのはな！！
蒼蝶様、あのお方だけだ！！！｣
センゴクに残念がられる必要なんてない。
俺の生きる意味は蒼蝶様で
俺が生きる理由もまた蒼蝶様だ
処刑時間は午後３時
今は2時30分、海軍は一層警戒を強めた
狸屋が来るとでも思っているのだろうか
｢センゴクさん、狸屋は来ませんよ。絶対に｣
｢裏切り者の言葉など信用ならん！｣
その瞬間、海がザバンと持ち上がる
センゴクはほらみろ来たじゃないかというような
自信満々な顔を向ける
狸屋が来るはずでない
だって、それは
｢大型の海王類ですね。｣
｢なに！？｣
センゴクの目線の先には普段よりも格段大きな海王類。センゴクの目が見開く
あっという間に倒される海王類
センゴクはやれやれというような表情で
｢それはそうと、あと二十分だ。桃亜｣
｢そうですね、センゴクさん｣
｢何かないのか？狸屋は来るだろう？｣
最後までそれを言うか
｢来ませんよ。確実に。｣
俺の言い切りに少しだけ下がるセンゴク
中将は海を睨みつけたままだ
午後３時を告げる鐘が鳴る。
センゴクの合図で俺の首にヒヤリとした刀が当てられる
｢何か言い残すことはあるか｣
｢絶対的忠誠を蒼蝶様に。｣
｢やれ｣
ざしゅり、と桃亜の首が落とされた。
海軍は驚きを隠せなかった。
最後まで狸屋でいた桃亜に
姿を見せない狸屋に
狸屋の忠誠心に。
ちょうどその頃少し離れた海上に一隻の小舟があった。それに乗るのは蒼蝶様と呼ばれる女ただ一人
｢お疲れ様。ありがとう｣
海に１輪のヘリオトロープを流す
ヘリオトロープの花言葉は｢忠誠心｣
狸屋海軍潜入桃亜 本名：アイアン
没年34歳
｢So that there is protection of the sky and the ground｣
天と地の御加護がありますよう。
地図に乗っていない小さな島。
シャボンディ諸島の目と鼻の先にありながらも誰の目にもつくことはない。
こう言い残して女は立ち去った。
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ゆうこりん - すごかったです！頑張ってください ベイベ！ イベイベ！ (2015年11月10日 23時) (
レス) id: 13da980614 (このIDを非表示/違反報告)
名無し20512号(プロフ) - BBAさん» ありがとうございます！(・-・*)１００話突破もお祝いありがとうございました、これからも頑張りますので応援宜しくお願いいたします (2015年8月17日 20時) (レス) id: 34807cd403 (このIDを非表示/違反報告)
BBA - 最初から、一気読みしますた^_^話しの展開が独特でとても面白いです（≧∇≦）遅れ馳せながら、100話おめでとうございます。これからも楽しみにしてますね！ (2015年8月17日 19時) (レス) id: 678d61674c (このIDを非表示/違反報告)
名無し20512号(プロフ) - ルナさん» ありがとうございます！続き楽しみにしててください！これからもよろしくおねかいします！！ (2015年8月13日 10時) (レス) id: 34807cd403 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 前作に引き続き、やはり凄く面白いです！ また24時間のタイムリミットが迫ってきて､桃亜は助かるのかどうか･････続きが楽しみです♪更新頑張ってください!!応援してます(^∀<)/〃☆ (2015年8月12日 23時) (レス) id: 453d3de8df (このIDを非表示/違反報告)
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