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第十一章『Alice in the Garden《スノーリリイ》』【3】 ページ31

「その・・・お母さんは!? 御国さんは・・・!? この家のみんな・・・御国さんのこと初めからいなかったみたいに言うし。なんかおかしいよ・・・」

 そう言った真昼の言葉に、御園は表情を強張らせると、暗い表情で視線を俯ける。

「そう・・・何か・・・おかしいんだ・・・」

 御園もまた心の中では、本当はそう思っていた。

 けれど、父親の心情を想うと、それをハッキリと言葉にする事がずっと出来ずにいた。

「―――――御園君」

 そっと瑠璃が名前を呼ぶと、そこに救急箱を手にした洞堂が「あ――――いたっ」と、ばたばたと勢いよく走ってきて。

 どうやら鉄の傷の手当てをする為に、探してくれていたようだった。

 そうして真昼たちから少し離れた場所で、鉄の治療を洞堂が始めた処で、

「・・・城田、瑠璃。今は・・・行けないが。明日の夜、みつからないように脱け出してそっちに合流するから少し待って欲しい」

 淡々とした声音で御園の口から紡ぎ出された申し出に真昼と瑠璃が目を瞬かせると、

「・・・相談したいことがあるんだ。父さんのこと・・・。・・・御国のこと」

 思いつめた表情で二人を見据えながら御園はそう言ったのだ。








※占ツク転記/19/9/7
【本館/19・9/7/別館/19・9/7掲載】

朱臣繭子
++++++++++++++

この回は描写がやはり難しいですね。
原作の雰囲気を極力崩すことなく伝えようとすると猶更・・・・・・。
さらにこの後は御園メインで、展開する事になるので、また暫く執筆にはお時間を頂く事になるかもしれませんが、長い目でお待ち頂けましたら幸いに思います。

第十一章『Alice in the Garden《スノーリリイ》』【4】→←第十一章『Alice in the Garden《スノーリリイ》』【3】



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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2019年8月7日 23時

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