第九章『俺は大人、ここは社会』【1】 ページ3
「選択肢は二つ。自分で吸血鬼とお姉さんを探し出すか。我々に協力するか」
露木は右手の中指と人差し指―――――2本の指を立てながら真昼に決断を迫ってくる。
それに対する真昼の答は―――――
「こんなやり方をする奴らとは絶対組みたくない!!」
最初に出したモノから一切代わることはなかった。
そして激昂するのと同時に身体を起こした真昼は一つ目の扉の前に向かっていくと、
「クロと瑠璃姉をみつけて帰る!! このどこかにいるんなら・・・っ。シンプルに考えて全部開けて確かめればいいだろ!!」
バッと腕を伸ばしてドアノブを掴みながら露木に向かってそう宣言したのだ。
―――――が、開いた扉の向こう側に在ったのは先が見えない長い廊下だった。
長っ・・・と顔を蒼白にした真昼の背に向かって露木は言う。
「・・・・・・答え、教えましょうか?」
―――――協力さえしてくれれば。
「いいです!! 俺が見つける!!」
けれど、やはり真昼はそれを受け入れることはなく突っぱねると、だだだだだと扉の向こう側に向かって走り出したのだ。
一冊目の本を手に持ちながら椅子に腰かけた露木は、ぱらとページを開くと嘆息しながら呟いた。
「・・・・・・十五、六歳というのはこんなに子供でしたかね・・・」
※占ツク転記/19/5/22
【本館/19・5/22/別館/19・5/23掲載】
朱臣繭子
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改めまして、令和になって最初の更新となります。
前作でも、沢山の方に読んで頂けて、本当に励みになりました!
そして、気づけば占ツクで活動を始めて二年の月日が経ちました。
こうして活動が続けられるのは、読んで下さる方がいらっしゃるからこそだと思います。
今シリーズもまた、更新は不定期になってしまう可能性が否めないのですが・・・・・・。
出来ましたら変わらず、沢山の方に読んで頂けましたなら嬉しく思います。
どうぞ、今シリーズも宜しくお願い致します。
※追記
前シリーズ内にある『第九章』を更新の際、急ピッチで作業をした為に、一部文字抜けと誤字が発生してしまっておりました。
せっかく読んで下さったのに、ご迷惑をお掛けしてしまい申し訳ありません。
もし宜しければ、気が向かれました時にでも、また読み直しをして頂けましたら幸いに思います。
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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2019年5月22日 23時