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第五章『嘘に隠れた想いと描いた未来』【19】 ページ11

程なくして響き渡ったドーンという大きな音―――――どうやらあそこに墜落したらしい。

 一人残された瑠璃は、はぁ〜と思わず息を吐き出しながら、ぺたりとその場に座り込むと、『鍵』を両手で握りしめて目を閉じた。

 きちんと意識を集中すれば、この『鍵』の力を使えるはずだ。

「―――――桜哉君たちの処に―――――」

 やがて、ふわりと銀色の光が瑠璃の身体を包み込む。

 と―――――瑠璃の姿もまた、屋上から消え去ったのだ。





「その武器・・・飛ぶもんだったのか・・・?」

 林の中に墜落した後、まず地面に仰向けで転がり落ちたのは桜哉だった。

「いや・・・初めて飛んだ・・・」

 それから桜哉のお腹の辺りに武器の持ち主である真昼が落下してきて、折り重なるように俯せの状態で転がっていた。

 いて・・・と、呻きながら身体を起こしつつ、真昼は桜哉に言う。

「だって・・・黒猫とホウキだぞっ。シンプルに考えて・・・飛べるだろ!?」

 子供向けの童話によくある話だ。

 だとしても―――――

「ふ・・・っ、思い切り良すぎだろ・・・っ・・・ホント真昼って・・・」

 視線を俯けながら口元を抑えつつ、くっくっ・・・と笑い声を洩らした桜哉の姿を見て、頭についていた葉っぱを、指先で摘まんでいた真昼の顔も、自然と緩んでいき。

 顔を上げた桜哉と、気づけば自然な様子で、笑いあっていた。

「―――――桜哉君! 真昼君! 二人とも、無事ね!?」

 そこに『鍵』の力で空間跳躍を行って追いかけてきた瑠璃の声が加わる。

「瑠璃さん!?」

「瑠璃姉!?」

 木の陰に銀色の閃光が瞬き、収縮した光の中から現れた瑠璃が二人に抱き着く。

 瞠目の表情を思わず二人は浮かべたが、それから程なくして、今度は揃って顔を赤らめてしまう。

「あ、あの・・・・・・瑠璃さん」

「え、えっと・・・・・・瑠璃姉」

 メイド姿の瑠璃に抱き着かれるというのは、正直に言えば、嬉しい事なのだが―――――恥ずかしいという想いもやはりある訳で。

「にゃ〜・・・・・・」

 と―――――木の枝に引っ掛かっていた黒猫が、自分の存在を主張するように鳴き声を上げた。

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マユ(プロフ) - 千佳華さん» お祝いのコメント&感想、有難う御座います。夢主のクロへの告白、グフッとなって頂けたなら何よりです♪ (2018年10月13日 23時) (レス) id: 6997652f0b (このIDを非表示/違反報告)
千佳華(プロフ) - 続編おめでとうございます!『クロ、好きだよ』に思わずグフっとなりました← (2018年10月13日 22時) (レス) id: 6ba1c8129e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2018年10月13日 22時

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