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第五章『嘘に隠れた想いと描いた未来』【5】 ページ47

「さァさァ喝采を!! 変態ちょうちょの串刺しだよォっ」

 あははァッ、と云う笑い声と共に、口の中の鋭い牙を覗かせながら、両手に構えた剣を手品師の吸血鬼―――――ベルキア―――――がリリイに向かって振り翳していく。

「変態なんて心外ですねぇ」

 御園の血を口にした直後、ベルキアと対峙したリリイは目を瞬かせると、すぐさま身を引いて、襲い来る攻撃を避けたのだが、しかし、剣先がザッと掠め、右側の髪を数センチ切られてしまった。

 それからまた、すぐさま身を翻したベルキアが剣を突き付けてきたのだが、リリイは具現化させていた鎌でそれを防いだのだ。

「激しいのも嫌いじゃありませんが、髪を切られるのは傷付きますねぇ」

「お前、ボクよりキャラ濃くてムカつくなァ〜〜〜っ」

 眉を顰めるリリイに対して、げェ〜〜〜と、ベルキアは不愉快だと云わんばかりに顔を顰めながら、ぺっぺっと吐き捨てるように言った。





 一方、桜哉と対峙した御園は―――――。

「ア―――――ホ―――――毛―――――? 主人(イヴ)が一人でやる気かよ? 調子乗ってんなよ。お坊ちゃんがよぉ」

 片目を眇めながら、煽るように、桜哉は御園に言い、その後ろで片膝に黒猫を乗せたまま、地面に座り込む、真昼に視線を向けていく。

「後ろの真昼に期待してんなら無駄だぜ? 真昼は優しいもんなぁ。 オレは友達だもんな? その猫でオレを八つ裂きになんかしないよな? 瑠璃さんを悲しませるようなことなんて出来ないよな? なぁ真昼・・・」

「貴様はいつから、何の目的で、瑪瑙瑠璃と城田真昼に近づいた?」

 桜哉の言葉を無言で聞いていた御園が、ふと冷やかに桜哉を見据えると言った。

 それに対して、言葉を遮られた桜哉は一瞬、無表情となり、口を閉ざしたのだが、

「な―――――に、妻に浮気された旦那みて―――――なこと言ってんだ!? てめーは瑠璃さんの、真昼の、何なんだよ。関係ねーだろ!? 強いて言うなら暇つぶしだよ。暇つぶし!! 瑠璃さんの方は、椿さんから見張っとけっていう命令もあったしな!! お前こそ、瑠璃さんと真昼と知り合ってたかだか二週間とかだろ? なんでそこまで・・・」

「時間は関係ない。瑠璃と城田が、僕を友達だと言ったからだ」

 

第五章『嘘に隠れた想いと描いた未来』【5】→←第五章『嘘に隠れた想いと描いた未来』【4】 ※(この回は後半に微妙な描写が入っております。苦手な方はご注意下さい。)



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マユ(プロフ) - 紅羽さん» 変換洩れ、ご指摘下さいまして有難う御座います。後から加筆した文章が変換されていなかったようで・・・。再度、一括変換を行いましたので、全てのページがこれでされているかと思うのですが・・・。万が一、又発見されましたら遠慮なくご指摘下さいませ。 (2018年9月3日 21時) (レス) id: 6997652f0b (このIDを非表示/違反報告)
紅羽(プロフ) - 『嘘に隠れた想いと描いた未来』【1】 の最後の話の前半、主人公の名前が変換されていなかったので、指摘させていただきます! (2018年9月3日 8時) (レス) id: de0e7143c3 (このIDを非表示/違反報告)
マユ(プロフ) - カナさん» 楽しみと言って頂けて、とても嬉しいです! 亀更新ですが、その分、頑張って執筆致します。コメント有難う御座います!! (2017年8月11日 23時) (レス) id: 8d3457ac29 (このIDを非表示/違反報告)
カナ - 続きが楽しみです! (2017年8月11日 22時) (レス) id: b5a85efb84 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2017年6月27日 0時

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